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書店員"売れない大作"座談会

「ワンピース」は売れてない!? 書店員が語る有名作の”売れ行き”と”売れるマンガ”

【プレミアサイゾーより】

 マンガ市場が落ち込みを見せつつも、その規模から、出版社にとっても書店にとっても、マンガは最も力を入れている商品だといえる。そんなマンガ流通の現場にいる書店員たちが、今本当に売れているマンガからメディアミックスの影響まで──その実情を語った!

1112_shoten.jpg書店で膨大な数が並ぶマンガの中で、目立つために台座やPOPなどが
ところ狭しと並ぶ。これがあるとないとでは売り上げに大きく差が出てくる
という。

■座談会参加者
A…中規模チェーンの郊外店勤務
B…萌え系などに強い、都内のマンガ専門店勤務
C…学生街に店舗を構える、都内中規模チェーン店勤務
D…都心の大規模チェーン店勤務

A 今年は大物タイトルが相変わらず堅調という感じだったけど、ヒットしたという意味では2010年末発売の『花のズボラ飯』(作:久住昌之 画:水沢悦子/秋田書店)ですかね。【特集『マンガ編集座談会』参照】

B 僕が働いている書店は、30~40代のいわゆるアキバ系の男性客が9割以上ですが、『花のズボラ飯』はかなり売れました。相当大量に入荷したんですが、それでも品切れになるほど。

C 私のところは学生街なので、大学生が中心の客層。『花のズボラ飯』は最初3冊くらいしか入らなくて即完売。すぐに追加したんですが、それでも30冊程度しか入らず、すぐ売り切れ……の繰り返しでした。

A とにかく品薄でしたよね。しかも発売が年末だったから、重版がかかっても実際に入荷するのが年明けとか、かなりタイムラグがあった。100冊前後入れたのでなんとか年明けまで在庫がもちましたが、ほかの店舗はまったく入らない状況だったみたい。そもそも配本がほとんどなかったから、売れてることに気づいてないところも多かった。

D 私のところも配本がなかったクチ。ただ、年明けに動いているのを知って入荷しましたが、まったく動かなかったです。都心にあるうちの場合、主要客層である20~30代のビジネスマン層にはあまり響かなかったのかも。店舗的には男女比半々で、OLさんも多いですが、その層にもダメ。でも、繁華街の旗艦店では相当売れていましたね。

A 今の勢いでいうと、「コミックフラッパー」(メディアファクトリー)の作品も伸び盛りですね。昨年対比で150~250%伸びていて、本部からも棚を増やすように通達されてます。学生からサラリーマンまで、客層が比較的幅広いうちのような店では、『高杉さん家のおべんとう』(柳原望/メディアファクトリー)をはじめ、一般層にも売れるタイトルが部数を伸ばしていて、全体的に売り上げが底上げされている感じです。書店にとって大事なヒット作って、この手の作品。例えば『ワンピース』(尾田栄一郎/集英社)は、発行部数的には桁違いですが、売り場ではそこまで重要な作品じゃない。

C『ワンピース』や『HUNTER×HUNTER』(冨樫義博)、『君に届け』(椎名軽穂/共に集英社)といった、置いていて当たり前の作品はコンビニにもたくさん入っていて、必ずしも書店で買ってくれるとは限らないですからね。単行本にしろ、雑誌にしろ、コンビニにないものが書店にとっては大事なタイトル。

A もちろん店舗によっては1000冊以上入荷するところもありますけど、こういう一見さんがフラッと買っていくような作品は、リピーターが中心の店舗では売り上げを左右するほどのタイトルにはなりません。

B アキバ系をターゲットにしたマンガ専門店には、『ワンピース』目当てのお客さんなんていません(笑)。『けいおん!』(かきふらい)など萌え系4コマを多数抱える芳文社や、萌え系、ファンタジー系に強い一迅社の作品のほうが売れますし、入荷も多い。秋葉原のマンガ専門店では、『ひだまりスケッチ』(蒼樹うめ/芳文社)の6巻が1カ月で数千冊売れたなんて話もあるようで、アキバ系の店舗だと「ジャンプ」作品よりこのあたりが売れ筋。

D その売れ行きはさすがに異常だと思いますけど(笑)。私のところでは比較的全国ランキングに近い動きをするんですが、”バトルもの”はあまりウケません。『ワンピース』は3~4番手のタイトルという感じ。それよりも頭脳戦の要素が大きい『HUNTER×HUNTER』や『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦/集英社)が売れます。立地的にサラリーマンが多いからですかね。特に『ジョジョ』はすごい動いて、今年、女性向けファッション誌「SPUR」(集英社)の10月号で荒木先生が表紙を描いていたんですが、男性にもウケて、すぐに売り切れました。

B 荒木先生は別格。うちの店舗でも例外的に「SPUR」を入れましたが、即完売していました。

C 狙って入荷したものが売れるのはうれしいですよね。でも、あてが外れる作品もある。『どげせん』(企画:板垣恵介 画:RIN)は、掲載誌の「週刊漫画ゴラク」(共に日本文芸社)で読んでいて面白かったので、話題になってもっと売れるかと思ってたんですが、案外伸びなかった。「このマンガがすごい! 2011」(宝島社)でオンナ編1・2位を独占したヤマシタトモコ先生の短編集『ミラーボール・フラッシング・マジック』(祥伝社)も思ったほど動きませんでしたね。あれは「カバーデザインが悪い」って声が多いけど。

■「このマン」、アニメ……メディアの影響は?

D「このマン」などのマンガ系アワードは、やはり影響力があります。同じチェーンの旗艦店では「このマン」とかアワード系の特設棚を作ると、上位から下位まで全部売れる。「マンガ大賞」や日販がやってる「全国書店員が選んだおすすめコミック」とかも売れるきっかけになります。

C「このマン」でオトコ編1位の『進撃の巨人』(諫山創/講談社)はすごかった。受賞前からプッシュしてましたが、1位になってからは桁違いの売れ行きでした。

A 僕のところは受賞前にたっぷりプッシュしたので、「このマン」の頃には、もうあまり置いてなかったですね。どこでも売れる作品は、置いても仕方ないので。正直、去年なんか常連さんはみんな、アワードに対して「今年つまんないね」って言ってました。

B 客層が違うからか、うちもほぼ影響ないです。

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最終更新:2011/11/18 16:23

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