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6,000円で自転車盗難事件を捏造した神奈川県警 ノルマ至上主義の呆れた実態

kanagawakenkei0129.jpg神奈川県警HP

 神奈川県警は26日、自転車盗難事件を捏造し容疑者を検挙したとの虚偽の捜査書類を作成したとして、中原署地域課巡査の仲田正彦容疑者を虚偽有印公文書作成などの容疑で逮捕した。この事件は、かねてから取り沙汰されてきた警察のノルマ至上主義を図らずも露呈したものだと言えるだろう。

 県警によると、仲田容疑者は友人の男性2人に犯人役と被害者役を依頼し、昨年9月に犯人役の男性に被害者役の男性が所有する自転車を無灯火で運転させて職務質問した上で、同署へ連行して虚偽の供述調書を作成した疑いが持たれている。犯人役の男性は逮捕や書類送検をしない微罪処分となっており、仲田容疑者から報酬として現金6,000円を渡されたという。まさに”捏造”と言える犯行で、仲田容疑者は容疑を認め「検挙した実績が欲しかった」と語っているというが、そこまでしなければならないほど警察のノルマは厳しいのか。

「警察はノルマの存在を絶対に認めようとしませんが、交通取り締まりに厳しいノルマがあるのは厳然たる事実です。過去に神奈川県警の交通取り締まりノルマの数字が発覚したことがあるのですが、そこには『取り締まりの目安』という名目で、”本部指定”や”署指定”によるさまざまな項目の交通取り締まりノルマの数字があったんです。たとえば05年で見ると、駐車違反の検挙目安が20万0,500件に対して実績が20万3,825件、信号無視が2万3,780件の目安に対して実績が2万2,695件と、どの項目も目安に近い数字の検挙が行われています。県警は『目安だ』と強弁しますが、これはノルマ以外の何物でもないでしょう。この背景には、反則金の徴収ノルマや捜査報償費による組織的な裏金づくりがあるのは言うまでもありません」(県警記者クラブ所属の新聞社社会部記者)

 無灯火自転車の取り締りは、昨今相次ぐ自転車の暴走や歩行者との接触事故などによるところが大きい。意外と知られていないが、自転車の夜間無灯火には5万円以下の罰金が科せられる。頻発する自転車事故を防ぐためにも無灯火自転車の取り締りが必要なのは言うまでもないのだが、それとは別に今回の事件のように自転車盗難の捜査という側面もある。

「今回の事件が起きた昨年9月も取り締まり強化期間だったそうですが、無灯火自転車を見つけると片っ端から呼び止め職質をかけて人を泥棒扱いするもんだから、市民の不興を買っています。そもそも、神奈川県警というのは全国でも群を抜いて不祥事の多い警察で、特にこの20年は酷く、藤沢北署の巡査長が3年間にわたり交通違反の10代女性を取調室に呼び出してはレイプを繰り返したり、鎌倉署の巡査長が制服着用のまま公務中に空き巣を行うという日本警察史上初の犯罪を起こしたりと、普通ではあり得ない不祥事が多発しているんです。あまりの腐敗ぶりに、県警の不正を監視する市民団体が設立されたことがあるほど」(同社会部記者)

 もちろん、ノルマそのものが悪いわけではない。捜査の効果を上げるためにも一定の目標は必要だ。だが、そのノルマも実情にそぐわないほどの高い目標値であったりするなら、安全や犯罪防止ではなくノルマ達成が目的化することにならないだろうか。ましてや、それが不祥事体質の神奈川県警だとしたら……。今回の事件が物語るように、その答えは火を見るより明らかである。
(文=牧隆文)

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正義の味方はどこにもいない。

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最終更新:2013/09/09 17:49

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