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絶好調!のオスカープロモーション幹部に聞く

武井咲、忽那汐里、剛力彩芽――ブレイク「3人娘」の知られざる売り出し戦略とは?

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 武井咲、忽那汐里、剛力彩芽――「平成の3人娘」「ティーン3人娘」などと呼ばれる3人が昨年からブレイクし、その注目度は日に日に増してきている。武井は昨年、『大切なことはすべて君が教えてくれた』(フジテレビ系)、『アスコーマーチ』(テレビ朝日系)で女優として注目され、現在はNHK大河ドラマ『平清盛』に常盤御前役で出演中。資生堂 「マキアージュ」など、18社ものCMに起用されている「新・CM女王」だ。忽那は『家政婦のミタ』(日本テレビ系)での好演も記憶に新しく、最近は「モスバーガー」などのCMでも活躍。剛力は現在『ティーンコート』(日本テレビ系)に主演し、「au」や「ランチパック」などのCMで笑顔を振りまいている。

 この3人が所属するのは、後藤久美子、米倉涼子、上戸彩、菊川怜など、数多くのモデル・女優・タレントを擁する芸能プロダクション・オスカープロモーション(以下、オスカー)。1987年から続く「全日本国民的美少女コンテスト」などを通じて、日本中の美少女の原石を発掘し、幾人ものタレントをスターダムに押し上げてきた。浮き沈みの激しい芸能ビジネスの世界で、同社はなぜに次々と「売れっ子」を産み出してこられたのか? オスカーのタレント売り出し戦略について、同社専務取締役の鈴木誠司氏に聞いた。

――3人娘は、いずれも「全日本国民的美少女コンテスト」出身ですよね。

鈴木誠司氏(以下、鈴木) 「美少女コンテスト」は、最近は1〜3年に一度のペースで開催していて、毎回10万人ほど応募があり、書類選考を経た2次予選で1,000~1,500人は面接するんです。その中から将来性を感じた子に声をかけて、毎回300~500人が弊社の所属となります。コンテストの本戦に残るのは20人前後ですが、それ以前に磨けば光りそうな原石は多めに拾い上げているわけです。参加者の平均年齢は13歳前後で、レッスンを積んで、3年~5年後にデビューさせる形で育てていくのが基本ですね。

――武井咲さんは2006年の「全日本国民的美少女コンテスト」モデル部門賞とマルチメディア賞を受賞。忽那さんは同審査員特別賞を受賞で、剛力さんに至っては、第8回のことで02年の大会の予選敗退。みなさんグランプリ受賞者ではなく、頑張れば夢が叶うという好例ともいえますが、米倉涼子さん、上戸彩さんも含め、グランプリよりも、部門賞を獲得した方のほうが後に大成されるケースが多いように見えます。

鈴木 グランプリを獲るのは、あくまでコンテスト当日に一番輝いていた子。本番に一番輝けるということも大事ですが、実際にはグランプリの子も、部門賞の子も、予選で落ちた子も、オスカーに所属した限りは横一線からのスタートになります。グランプリだから事務所として一番にプッシュしていくとは限りません。みんな同じく、オスカー流のレッスンを行っていきますから。そこでは、あいさつの仕方はもちろん、演技レッスン、モデルのウォーキング、ポージング、人によってはダンス、ボイストレーニングまでやります。あいさつがちゃんとできないタレントには、何回でもやり直しさせますからね。そして、半年に1回社内で審査会を行って、レッスン生をシャッフルしながら、モデル部門や女優部門などに振り分け、英才教育を繰り返していきます。武井は愛知県に実家があり、そこに住んでいた頃は、毎週末に東京に来てレッスンして、東京に住むようになってからは、毎日のように演技レッスンなどをしていました。そうやって切磋琢磨して、成長させていくんです。

――その武井さんは、18社ものCMに起用されました。これは驚異的な数字だと思います。

鈴木 そこは、企業努力の結果「売れた」というより、戦略的に「売った」というのが本音です。我々は、40年以上もモデルクラブをやってきて、さまざまな企業や媒体とお付き合いしてきたという経験がある。その中で、それなりのパイプを作ってきたことも重要ですが、タレントの売り時や、企業や媒体ごとに、どういう子を求めているのかを理解できるようになったことが武器なんです。たとえば、JALとANAとでは、それぞれ異なるキャンペーンガールの流れや傾向がある。いくら素材がよくても、そういうニーズに合致する子をタイミングよく提案しないと意味がありません。武井は「Seventeen」(集英社)のモデルをしながら、女優やタレントとしても活動できる可能性を探っていましたが、弊社の社長(古賀誠一氏)の指示で、「これから、武井咲を売り出していこう」と決まりました。2010年9月頃からですね。

――確かに、武井さんのような、十代の清純派タレントがいなかったタイミングだったと思います。

鈴木 ええ。だから勝算はありました。そこから、武井に合う仕事を見極めながら、ドラマ、CM、雑誌露出などを長期スパンで決めて仕掛けていきましたね。化粧品会社でいえば、資生堂顔、カネボウ顔、コーセー顔っていうのがある。そこで武井は、後藤久美子のような資生堂顔なので、資生堂さんに話を持っていった。資生堂さんは、そうそうたる女優に並べて、「TSUBAKI」のCMで武井を起用してくれました。今は後藤と同じく「マキアージュ」のCMに起用してくれている。狙い通りに進みました。

――それにしてもすごい露出量だと思います。これだけ露出が多いと、飽きられ、消費されるのも早くなってしまうのではないかと危惧してしまいますが、”出し惜しみ”というのは考えないのですか?

oscar_suzuki.jpg“絶好調”ゆえの自信がみなぎる、
オスカーの鈴木専務。

鈴木 そのタレントにとってプラスになる仕事かどうかを見極めながら、いただける仕事はできる限りやっていく方針です。米倉なんかは一番忙しい時は、CMの撮影を深夜までやって、朝、着替えるためだけに家に帰って、すぐドラマの撮影に行くなんてこともよくありました。そういう経験を乗り越えると、女優として、人間として、頭ひとつ抜けるんですよね。米倉も菊川も上戸もそれを経験したからこそ、10年以上、一線で活躍できているんじゃないですか。タレントは倒れるくらい働いて一人前。だから誰かが倒れると、うちの社長は「よかったじゃないの。おめでとう。やっと一人前になったな」って言いますよ。スパルタっぽいですが、もちろんその分、タレントへのケアは最大限やります。そういう意味では、武井は倒れてないので「まだまだ」ですね(笑)。彼女はこれまで、(18歳未満のため)労働基準法で夜10時以降働けなかったのが、去年12月25日で18歳になったので、これからはOKになる。今年はさらに大変だろうなと思いますよ。

――あくまでこれはウワサですが、オスカーさんはCMやドラマでのギャラを下げることで起用してもらいやすくして、その分、露出を増やしているという話もあるんですが……。

鈴木 そのウワサは、私も聞いたことがありますが、事実ではありません。よく雑誌で「CMタレント・ギャラランキング」とか「女優・ギャラランキング」ってありますけど、そこに出てくるうちのタレントのギャラも、実際はもっと高いです。業界内では、「オスカーはギャラが高い」って有名なんですよ。というのも、ブランド品と同じで、いいものは高く買ってくれるという自信があるから。CMやドラマは、1回ランクを付けてしまうとそこからなかなか上がっていかない。それを上げようとすると、ものすごく苦労するんですよ。だから、最初から安売りはしない。もちろん、高いと思われないように、タレントを”玉”にしてから売り出す。先ほど言った通り、英才教育を施して、タレントを磨くんですね。うちには、常時5,000人以上が所属している形ですから、その中から勝ち残った子を安売りするようなことはしませんよ。

――なるほど。武井さんだけでなく、忽那さん、剛力さんもCM起用が続いています。またまたウワサですが、上戸さんが結婚した場合を想定して、上戸さんの仕事を剛力さんにシフトさせているって話もありまして……。

鈴木 いかにも「サイゾー」らしい見方ですが、それはありえないです。上戸に万が一そういうこと(結婚)がいつかあっても、彼女は仕事を続けたがるだろうし、そもそも「上戸の代わりに剛力を」なんてことが通じるような世界じゃないですよ。企業側だって、広告には相当の対価を動かすわけだから、妥協はしません。確かに、剛力は上戸のライン、武井は後藤のラインです。2人はバッティングしないので、ほぼ同じタイミングで売り出しました。同じようなラインのタレントを並べたら、自社で食い合ってしまいますから。実際の2人はモデル活動時代から仲がよくて、よきライバルでもあります。忽那の場合は、本人の希望や才能を見極めて、最初から女優路線でいきました。ドラマと並行して、じっくりと映画(『BECK』『少女たちの羅針盤』『マイ・バック・ページ』)をやらせていたら、『家政婦のミタ』でドーンと来ましたね。彼女はオーストラリア・シドニー出身なので、国際的にも活躍できると思います。

――ところで、武井さんは昨年、GLAYのTAKUROさんの書き下ろしの曲で歌手デビューされましたが、やはりオスカーさんは音楽でもやっていこうという形ですか?

鈴木 タレントは女優だけじゃなく、モデル、歌手……いろんなことができて一人前だからという方針ですね。しかも、歌はヒットすると売り上げのケタがひとつ違う(笑)。芸能ビジネスをやっている以上、そこでも成功したいと思うものです。ただし、モデルクラブとして築いたうちの強みを他社がそう簡単に真似できないように、音楽ビジネスを得意とする芸能プロの真似は、そう簡単にはできません。常に挑戦の連続ですね。最近はお笑い部門にも力を入れていますが、こちらも簡単ではありません(苦笑)。

――挑戦といえば、以前、美少女クラブ31(※編註・渋谷飛鳥、原幹恵、中村静香らが所属していた、31人組アイドルグループ。2003年結成、06年活動休止)というグループがありました。あちらも正直、苦戦していた印象ですが……。

鈴木 今、アイドルグループ戦国時代といわれているところを見ると、少し時代が早かったということでしょう。でも、モーニング娘。やAKB48と比べても、ビジュアルはナンバーワンだったと思う。美少女ばかり揃えましたから。ただ、歌とパフォーマンスを通じて、ファンをどう拡大していくかというところに戦略の足りなさがあった。美少女クラブ以上の大所帯となったAKB48とは、着想としては同じだけど、方法論が違ったんだと思います。

――AKB48といえば、各メンバーを、複数の芸能プロに所属させていくシステムですが、女性タレントがこれだけ多いオスカーさんに、ひとりも所属していないのは意外です。AKB48メンバーを採用しようという話はなかったんですか?

鈴木 そういう話もあったんですが、その時に社長は「人が育てた子を入れるよりも、ウチはウチの方法で育てていく」と言っていましたね。ほかで発掘・育成された子で商売していては、オスカーのやり方を信じて、厳しいレッスンに耐えているタレントや彼女たちを売りだそうとしているスタッフのモチベーションにもかかわります。自分のところで発掘・育成するという姿勢を一貫していかないと、プロダクション自体の力がなくなっていくんじゃないでしょうか。

――ごもっともな気がします。では最後にオスカー流のタレントプロモート方法論を教えてください。

鈴木 タレントの個性をいかに見抜いて、自分たちで育てて、売り出していくか。時代に合った顔、合わない顔もあるし、その見極めが大切。武井、忽那、剛力はそれぞれ3人とも魅力が違うので、それぞれ伸びていけると思っています。うちのタレントは事務所に来た時、出されたお茶を自分で下げていきますよ。タレントだからって特別扱いはしない。で、そういう礼儀正しい子ほど伸びるんですよ。結局、人間性が大切だと思いますね。
(構成=三田直也)

オスカープロモーション教育全集・モデル編

勉強になります!

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最終更新:2013/09/09 16:23

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