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週刊アニメ時評 第14回

「まるで90年代の夕方6時枠アニメ!?」『モーレツ宇宙海賊』の大器晩成ぶり

moretsu.jpgStarChild『モーレツ宇宙海賊』

 番組改編期目前の6月が到来したということで、これから月末に向けて多くのアニメが続々とフィナーレを迎えることになる。その中でも、現在とくにアツい展開を見せているのが『モーレツ宇宙海賊』(MBSほか)だ。

 ごく普通の女子高校生だった主人公・茉莉香が、死んだ父親が船長を務めていた海賊船・弁天丸の船長となり宇宙海賊として活躍するというスペースオペラ作品である本作は、放送開始当初こそ「地味だ」「展開が遅い」「古くさい」という意見が多勢を占め、Blu-ray&DVD第1巻の初動売り上げもそこそこヒットレベルの作品であった。

 しかし、茉莉香が宇宙海賊として生きていくことを決意する序盤のヤマ場である第5話から、物語はグイグイと急展開。評判もじわじわと上昇。さらに通常は巻を追うごとに売り上げが下がっていくBlu-ray&DVDの初動売り上げ枚数は右肩上がりで増加するという、大器晩成ぶりを見せている。

 そんな『モーレツ宇宙海賊』の魅力を挙げるとするならば、やはり丁寧な描写という点に尽きるだろう。何かとスピード感重視の昨今、アニメも第1話で視聴者の興味を引くようなネタを詰め込まないといけない、という暗黙の了解が制作側のみならずアニメファンの間にも定着しているように感じられるが、そんな時代の風潮に左右されることなく茉莉香が宇宙海賊になるまでを、実に序盤の5話を使ってじっくり描いている点がまず驚きである。確かにスロースタートとなった本作だが、そのおかげで茉莉香のみならず、弁天丸クルーのキャラクターもじっくり描くことが可能となり、後の物語に深みを持たせることに成功している。

 また、アニメでは大ざっぱに処理されがちな電子戦や戦術、組織の描写、作品世界の歴史などをじっくりと描いている点も、スペースオペラ的に高ポイントである。練りに練られた設定や、リアルなSF描写にロマンを感じる視聴者も少なくないだろう。

 これらの要素を2クールにわたってじっくり描き続けた本作は現在、物語最大のヤマ場を迎えている。海賊船を狙う謎の敵が宇宙を跋扈する中、茉莉香はスタンドプレーが基本の宇宙海賊を招集し、組織化することで状況に立ち向かおうとする。第1話ではまだどこにでもいる普通の女子高校生だった彼女が、いまや海賊たちを束ねるリーダーとして人心を集めているのだ。


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