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「Amazonに対抗するために……!」電子書籍本格普及を前に白熱する“著作隣接権”をめぐる議論

cyosakurin001.jpg作家や法律の専門家など、さまざまな立場
から意見が飛び交う。

 電子書籍の本格化による出版産業のグローバル化を見据えて進められてきた、出版社への「著作隣接権」付与の議論。7月25日、いよいよ法制化の動きが進むのに先立ち、衆議院第二議員会館で、シンポジウム「出版文化の今後と出版者への権利付与」(主催:文字・活字文化推進機構)が開催された。

 シンポジウムは、専修大学教授で出版デジタル機構会長の植村八潮氏の現状報告から始まった。まず植村氏は、「出版不況」は日本だけのことに過ぎず、先進国の多くでは近年、出版業界は横ばいか成長局面にあることを説明する。そして、日本だけが「出版不況」に陥っている理由として、全国4,000社あまりの出版社の本が、少数の取次会社を経て数多くの書店に流通するというシステムが、制度疲労を起こしていると指摘する。

 もはや、日本の出版業界は抜本的な改革を迫られているというわけだ。しかし、期待される電子書籍も、その内情はまだ貧しい。出版社のほとんどは中小零細企業。ゆえに、電子書籍を制作するために新たな担当者を置くことはできない。それに、出版社自身も電子書籍の制作技術を持っているところは少ない。さらに根本的な問題として、電子書籍は流通基盤も制度も標準化されていない状態。堅実に成長を始めている日本の電子書籍だが、その内容はまだまだ貧しいのだ。

 その上で植村氏は「コンテンツを持っている人が王様だというのは、幻想に過ぎません。重要なのはプラットフォーム。このままだと、それがアメリカに取られてしまいます」と説明する。

 キンドル日本版の発売もアナウンスされ、書店としても国内第2位の勢力を誇るAmazonが、電子書籍市場でも大きな勢力を得ることは容易に予想できる。そうした巨大企業の寡占化も止めなくてはならないと、植村氏は言う。

「プラットフォームがチャネル(販売経路)を独占すると、一見、中抜きがなくなり、無料、あるいは安価に情報が流通するように見えますが、結局は収益が落ちていきます。米国の場合、新刊書籍と電子版とが同時発売されるようになって、全体の売り上げが落ちました」

 電子書籍の市場が(主に外資によって)寡占化されることの弊害は大きい。そのためにも、出版業界の再編のための法整備は急務なのだ。

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