日刊サイゾー トップ > その他  > ワタミ富士通ブラック企業大賞
SEと外食産業が2大ブラック業界  そして大賞はやっぱりあの企業!

ワタミに富士通、ローソンストア100… “ブラック企業大賞”授賞式!

 次にIT企業の「フォーカスシステムズ」。SEのC氏は入社3年目から急激に忙しくなり、06年4~6月の残業時間は132時間、206時間、161時間と過労死基準を大幅に超過。年間トータルでは1350時間に達し、出勤前の朝食時、両親の見ている前で寝入ってしまうことも増えていった。

 そして同年9月16日、いつもどおり家を出た後、突然、衝動的に京都へ向かい、鴨川の川べりでウイスキーの中瓶をラッパ飲みして、急性アルコール中毒で死亡した。瓶は空に近い状態だった。なぜ京都だったのか。遺族である父親によると、C氏は亡くなる1年前に、高校時代の友人と京都旅行に行って、「すごくよかった。お父さんも行った方がいいよ」としきりに勧めていた。「解離性遁走」といって、つらい時に、急に一番いい思い出のところに行きたくなるうつ病の症状がある。C氏はこれに当たるという。

 次に、100円ショップ形態のコンビニ「SHOP99」(現ローソンストア100)を経営する「九九プラス」。清水文美(ふみよし)氏は高校卒業後、アルバイト生活を送り、26歳の時の06年に、ハローワークで九九プラスの正社員として店長をする仕事に就職が決まった。長年、正社員として働きたかったので、しっかりがんばろうと決意に燃えていたという。

post_526_2.jpg

 ところが、実際は、権限のない「名ばかり管理職」で残業代なしの過酷な長時間労働を強いられ、何度も上司に店長を降りたいと願い出たが、聞き入れてもらえず、ついには身体が動かなくなった。病院に行くと、重いうつ病、と診断された。

 その後、清水氏は首都圏青年ユニオンに加入し、組合が会社と団体交渉をしたが、会社側は「病気と仕事の因果関係はありません」と主張。清水氏は未払い残業代と慰謝料の支払いを会社側に求める裁判を東京地裁に起こし、11年5月31日、原告全面勝訴の判決が下った。判決では裁判長が「店長の職務内容、責任、権限、賃金からみて、管理監督者に当たるとは認められない」と指摘し、「時間外労働や休日労働に対する割増賃金が支払われるべきである」とした。うつ状態についても、「業務と本件発症との間には相当因果関係が認められる」として、会社が安全配慮義務に違反したと断じた。

「会場に清水さんが来ています」と司会者の述べた後、清水氏は壇上に上がり、こう述べた。「私がコンビニの店長として一番大変だったのは、人の手配をすることでした。仕事が終わって家に帰り、寝ようかな、と思っていた時に、家から電話が鳴る。携帯電話も鳴る。『店長、お店に来て下さい。人手が足りません』と。この電話は高校生からのものです。高校生は深夜働けないので、私がすぐにお店に駆けつける。次の日も同じように電話が鳴る。これが常態化して、2週間休みが取れない、という日が続きました。しまいには身体に変調をきたし、レジでお客さんに『ありがとうございました』と言おうとしたが、言葉が出なくなりました」

1234
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

終わらないジャニー喜多川の性加害問題

今週の注目記事・第1位「裏金前副大臣はパパ活...…
写真
イチオシ記事

バナナマン・設楽が語った「売れ方」の話

 ウエストランド・井口浩之ととろサーモン・久保田かずのぶというお笑い界きっての毒舌芸人2人によるトーク番組『耳の穴かっぽじって聞け!』(テレビ朝日...…
写真