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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.185

障害者の性処理も介護の重圧も、すべて笑い飛ばせ! 男たちのバリアフリーな友情ドラマ『最強のふたり』

泉谷 「この映画は下品な会話がいっぱいだな(笑)。現実はもっと、すごかったんだろうな。オレがいいなと思ったのは、障害を持つ金持ちが丁寧にされる“距離感”をイヤがっているところ。マジメな人間って、我慢ばかり強要するから。それが、若いドリスは平気で障害者に文句を言うし、平気でおちょくる。平気で距離感を乗り越えてくる。そこがいいよな」

綾戸 「触れ合うはずのない2人が融合することで、すごい力が生まれてくるんだよね。人間ってどうしても似た者同士でつるみがちだけど、そうじゃなくて自分とは違う人間と一緒になり、自分をさらけ出すことで大きくなれる。そこがええな。車椅子を押されるほうだけやなくて、車椅子を押してるほうも世界が広がって見えますよ。私もそうやもん」

 綾戸いわく、明るい人間がユーモアを口にするのではなく、“沈んだ人”のほうがユーモアを体得できるとのこと。なるほどね。介護問題に加え、国際化や社会格差に今後さらされていく日本社会においても、カルチャーギャップを笑いに変える“バディムービー”的発想は重要なアイテムになりそうだ。
(文=長野辰次)

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『最強のふたり』
脚本・監督/エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ 出演/フランソワ・クリュゼ、オマール・シー、アンヌ・ル・ニ、オドレイ・フルーロ、クロティルド・モレ 配給/ギャガ PG12 9月1日(土)よりTOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ六本木ヒルズ、新宿武蔵野館ほか全国順次公開 <http://saikyo-2.gaga.ne.jp> (c)2011SPLENDIDO/GAUMONT/TF1 FILMS PRODUCTION/TEN FILMS/CHAOCORP

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