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驚きと発見の連続!? ツウな大人の社会科見学『TOKYO 研究所紀行』

kemkyujyo.jpg『TOKYO 研究所紀行』(玄光社)

 “大人の社会科見学”がブームになって久しい。食品工場やビール工場にはじまり、日清の「カップヌードルミュージアム」のようなテーマパークがオープンするなど、とくに身近なメーカーものが人気を集めている。そんな中、あまり一般的には知られていない穴場スポットがあるのをご存じだろうか。それは、研究所だ。研究所と聞くと、無機質な部屋の中で、白衣を着た研究者たちが液体が入った試験管を振って反応を調べたり、最先端の装置を使って小難しい研究をしているというイメージがあるかもしれないが、実は実際に訪れ、見学することができる施設もあるのだ。

 そんな研究所の魅力を、写真と紀行文で紹介するガイドブックが『TOKYO 研究所紀行』(玄光社)だ。研究所といっても、地球や環境の研究から、生命、宇宙、最新テクノロジーなど、そのテーマはさまざま。一見、私たちのくらしと関係のないことのように思えるかもしれないが、それは大間違い。私たちのくらしをよりよいものにするため、あるいは、限りある資源を有効に活用し、未来の子どもたちへ残すために重要な研究ばかりだ。 

 たとえば国立環境研究所(茨城県つくば市)では、地球環境、資源循環・廃棄物、環境リスク、地域環境、社会環境システムなど8分野を柱に、最新設備と専門知識を駆使した研究が30年以上にわたって続けられている。東日本大震災で津波を受けた木屑の焼却実験を行ったのも、この施設だ。汚染物質が生命に与える影響などについても研究されており、メダカやファットヘドミノー、ヌカエビのほか、一生かかってもお目にかかれないであろう種類と量のミジンコなどが飼育されているという。また、700種2,000株を超える藻類には魅了されること間違いなし。

 また、長年に渡りあらゆる研究分野をリードしてきた東京大学の総合研究博物館(東京都文京区)は、300万点以上の学術標本を収蔵。研究部には多くの研究者が所属し、日々世界レベルの研究を進めている。さらに、ここの特徴は、博物館活動そのものも研究されているという点。常設展「キュラトリアル・グラフィティ 学術標本の表現」では古人骨にはじまり、貝塚からの出土品、縄文人の全身骨格のほか、80冊の標本資料報告集もオブジェとして展示。時代時代の最先端研究を追体験することができる。

 本書には上記のような研究所の紹介に交え、研究所にゆかりのある学者や大学教授らのコラムも寄稿されているが、ベストセラー『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)で知られる生物学者の福岡伸一氏は自身が学者になった理由について、次のように書いている。

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