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TBSがことごとく惨敗! “サクッと軽い”夏ドラマ総まとめ

■「この夏、最も泣ける」はずの『ビューティフルレイン』は、実は「泣けない」ドラマだった!?

 6位の松山ケンイチ主演『大河ドラマ 平清盛』は、前クールと変わらず10%前後をウロウロ。8月5日放送分では7.8%まで落ち込んだが、弁慶と牛若丸が橋で出会うキャッチーなシーンが登場した9月30日放送分で突然、平均視聴率14.3%までグンと上昇。この回をきっかけに暗雲の時期が終わるか?

 初回16.0%と首位でスタートした、名取裕子主演『京都地検の女』も、一時7%台まで下がり、結果9位に。しかしシーンが切り替わるたび、テレビ画面に入れ代わり立ち代り現れる、寺島進や益岡徹、大杉漣といった日本が誇る名優たち。彼らが醸し出す、笑ってしまうほどのものすごい安定感は、その辺のドラマでは決して味わえないだろう。『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)や『水戸黄門』(同)が終わってしまった今、長く続いてほしい名シリーズだ。

 10位は、豊川悦司演じる若年性アルツハイマーの父と、芦田愛菜演じる娘の親子愛を描き、フジ自ら「この夏、最も泣ける親子愛」と息巻いていた『ビューティフルレイン』。同時間帯の向井理主演『サマーレスキュー~天空の診療所~』(TBS系)が初回14.7%と好発進だったため、「またしても、魔の“花王提供枠”惨敗確定か?」と思われていたが、その後『サマーレスキュー』がみるみる低迷(全話平均10.0%)。全話平均では、わずかながら『ビューティフルレイン』に軍配が上がった。

 最終回では、芦田が「父ちゃんが美雨(芦田)のことを忘れちゃっても、美雨は父ちゃんのことを忘れないから。そしたら、父ちゃんはいつまでも美雨の父ちゃんでいられるでしょ? だから、だいじょうブイ!」と往年のシュワちゃんよろしく、笑顔でVサインをキメる感動のシーンが。しかしそのその後は、トヨエツが夏祭りでおいしい焼きそばを焼くシーンなどが続き、ヌルッと終了。

 壮絶な闘病系ドラマかと思いきや、病気の進行はほとんど見られず、結局のところ「もしも身近に若年性アルツハイマーの人がいたら」というテーマを軸にしたハートウォーミングな作品であった。映画『頭の中の消しゴム』のような展開を期待していた視聴者の中には、「悲劇的なエンディングを期待してしまった」「ズコーッ」「泣きたかった」「え? うそ……これで終わり?」などと拍子抜けしてしまった人も多いようだ。

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