そんなバカな……埼玉で最も有名な“山田”が単行本に!!『愛の山田うどん』
#本
『愛の山田うどん』(河出書房新社)「山田うどんの本が出た!」と聞けば、それを知る誰しもが「まさか……」と思うだろう。「たかが山田うどんじゃないか」「あの山田うどんだろ!?」それは、どこにでもありふれているチェーンのうどん店のはずだ。郊外の、交通量が多いだけで、ほとんど誰もいない風景に、山田うどんはよく似合う。煌々と照らされる黄色い看板と、赤い文字、そして、あのかかしのキャラクターがあしらわれたうどん屋だ。
『愛の山田うどん』(河出書房新社)。本書はそう名付けられた。しかもご丁寧にも、副題は「廻ってくれ、オレの頭上で!!」。執筆者は、北尾トロとえのきどいちろう。それぞれ、ライターとして、ベテランの域に達する2人。彼らは、ふと70年代後半に過ごした自分の青春時代を振り返り、「山田うどん」という存在を発見する。とびきり旨いわけではない。人生を変えるような経験をしたわけでもない。しかし、心の片隅にそっと仕舞われていたそれは、かさぶたのようになんとなく気になってしまう……。それを発見したが最後、彼らの愛はその筆から洪水のように溢れ出し、ついには1冊の本にまで結実することとなった。
しかし、繰り返すが「山田うどん」だ。僕たちは、山田うどん“に”行くのではない。山田うどん“でも”行こうか、と言う。ボリュームが多く、“カロリーのK点越え”の異名を轟かせ、なおかつ値段は最安値のたぬきうどんで240円と破格! デートに使えば100年の恋も冷める、チェーンのうどん屋だ。
凡庸の極みである山田うどんなんかに、語るべき言葉はない。しかし、もしもあなたがそう感じるなら、迷わず本書を手に取るべきだ。あなたは、すでにかかしの罠にかけられている。凡庸で、土着的で、考えることも恥ずかしい、それが山田うどんだ。関東郊外に育った者ならば、誰しもがとらわれるダサい地元感覚に、くるくると廻るかかしはピッタリと寄り添っている。そんなイメージを人々の心の中に植え付けているチェーン店が山田うどんのほかにあるだろうか?
ミニコミ誌「季刊レポ」を発行する著者の2人は、早速山田うどん特集を組み、出演するラジオでは山田うどんへの愛を語りまくる。そのラジオを聞きつけた山田うどん(正確には山田食品産業)社員から招かれ、ついに社長との面会まで実現。さらに、セントラルキッチンを見学し、2012年に鬼籍に入られた会長の葬儀にも出席する。リサーチを重ねる上で、山田うどんがデニーズよりも早くロードサイドに20世紀アメリカニズムを持ち込んだこと、キッコーマンがうどんつゆを共同開発していることなどが判明し、そのいちいちに驚く2人。さらに、チェーンすべての店内に貼られている狼の護符を求めて、御嶽山を登山し、“山田街道”と化している国道50号線を旅する。
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