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週刊誌スクープ大賞

なぜ今頃? 富山資産家夫婦放火殺害犯「犯行声明文」をめぐる、県警と文春の不可解な対応

 犯人は、罪もない夫婦を殺し金を奪った上に放火までした。その上、犯行をほのめかす手記を週刊誌に持ち掛け金を稼ごうとした卑劣犯である。CD-Rを渡さずとも捜査に協力して、もっと早く逮捕されるような方策を考えられなかったのだろうか。

 取材源の秘匿はもちろん大事だ。だが、この加野のように、明らかに真犯人だと思われる人間の手記を載せるために編集部が金を払うことはないはずだ。話した後に自首するとか、事件が時効になっていれば別だろうが。

 取材源の秘匿は絶対不可侵ではない。すでに名誉毀損裁判などでは、取材源の秘匿は多くの裁判官によってボロ雑巾の如く打ち捨てられているではないか。

 富山県警のお粗末さがハッキリ分かる記事だが、取材源の秘匿というメディアにとって重大な問題を考えさせられる記事でもある。

 今週のグランプリは、ポストの憲法改正についての記事。先週の「裏エンディングノート」もそうだったが、この特集もコロンブスの卵のような記事である。

 こういうところへの目のつけ方がポストはとてもいい。

 圧倒的な数の安倍自民党政権になり、安倍自身もライフワークと称している憲法改正が遠い先のことではなくなってきた。憲法改正の手続き法である国民投票法もできているから、参議院選挙でねじれが解消すれば、いち早く改正に動き出すという観測もあるが、事はそう簡単ではないとポストは窘めるのだ。

 どちらかといえば、憲法改正派と見られているポストだが、こうしたものを巻頭にもってくる心意気を買ってグランプリ。

 まず憲法改正のスタートは、衆議院議員100人、参議院議員50人以上の賛成で発議(提案)される。その際重要なのは「関連事項ごとに区分けして行う」ことだ。たとえば第1条の「天皇」に関する条文と、第9条の「戦争の放棄」に関する条文改正は別々に発議されるのである。

 したがって、自民党が作っている改正草案をすべて実現しようとすると100以上の発議が必要になるというのだ。発議、本会議での趣旨説明の後に、衆参それぞれに設置された憲法審査会で議論される。ここを通過しても、憲法改正発議には議員定数の3分の2以上の賛成が必要。後院(発議したところとは別の院)でも同じ数が要る。両院議長から発議された改正案は、発議から60~180日以内に国民投票にかけられる。投票は有効投票の過半数で承認されるが、100以上に分かれた場合、区分ごとの投票箱が必要になり、投票を済ませるまでに数時間かかることもあり得るというのである。

 このように、憲法改正までは「途方もなく長く、煩雑な道程」(ポスト)が待っているのだ。

 さらにポストは「自民党改憲草案」には4つの重大問題があるとする。

 まずは「『国防軍創設』(9条改正)に憲法改正は本当に必要か」と問う。9条改正論者の小林節慶応義塾大学法学部教授でさえ、自衛隊を国防軍に改称するだけなら憲法改正の必要はないといっている。

「憲法改正しなければできない国防軍の活動があるとすれば他国への侵略戦争だが、それは自民党の憲法改正案でも禁じている」(ポスト)のだから、9条改正の目的は集団的自衛の行使への道を拓くためだと見られる。だが、先の小林教授は、日米安保条約を結んでいるのだから、竹島、北方4島、尖閣諸島に急迫不正の侵害があった場合は、集団的自衛権を有しており、憲法改正は必要ないとしている。

 2点目「なぜ『基本的人権の由来』(97条)を削除するのか」では、自民党は国家の権力を制限するためにできた立憲主義を覆し、統治者側の視点から国民の権利を制約する押し付け憲法を目指していると批判する。

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