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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.209

9.11テロの首謀者ビンラディン抹殺作戦の全貌! アメリカの夜明けは遠く『ゼロ・ダーク・サーティ』

zdt01.jpgCIAのビンラディン追跡チームに実在した女性分析官を主人公にした『ゼロ・ダーク・サーティ』。
機密情報の漏洩や拷問の有無をめぐって米国の配給会社にはクレームが寄せられている。

 いかにしてビンラディンは潜伏先をCIAに探し当てられ、米軍特殊部隊によって殺害されたのか。キャスリン・ビグロー監督、ジェシカ・チャステイン主演による『ゼロ・ダーク・サーティ』はその一部始終を記録したシリアスドラマだ。上映時間2時間38分にわたって異様な緊張感が持続する。映画というよりも映像による殺人調書と呼んだほうがいいかもしれない。2月25日(月)に発表されるアカデミー賞に作品賞、主演女優賞、脚本賞、編集賞、音響効果賞の5部門にノミネートされている。

 米国人に多大なトラウマを与えた9.11同時多発テロの首謀者であるアルカイダの指導者ウサマ・ビンラディンを追い詰めたのは、実在するひとりの女性だった。CIAのビンラディン追跡チームの中心メンバーとして活躍した若き女性分析官マヤがこの物語の主人公だ。過酷な職場に放り込まれた女性が伝説のテロリストに関する情報収集と潜伏先の割り出しという仕事を成し遂げることで大きく変容していく様が描かれる。『ツリー・オブ・ライフ』(11)、『ヘルプ 心がつなぐストーリー』(11)、『テイク・シェルター』(11)で若奥さん役を演じたジェシカ・チャステインが冷血な爬虫類を思わせる風貌で“アメリカの敵”と対峙する。『ディア・ハンター』(78)に出演していた頃のクリストファー・ウォーケンを彷彿させる、冷たく光る青い瞳が印象的だ。

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