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ITライター柳谷智宣の「賢いネットの歩き方」第13回

情弱飲食店が引っかかって阿鼻叫喚 店側も客側も得をしない“焼き畑”スタイルのクーポンビジネス

 大炎上するのは、店側がユーザーにひどい対応を取った場合。クーポン客に対して冷たい対応を取ったり、あからさまに手を抜いた料理を出したりしたら最悪だ。さらに、Twitterで「クーポン客は来ないでくれ」といった内容を投稿した店もある。ユーザーは正規のルートでお金を払ってわざわざ来店しているのに、暴言を吐かれようものなら怒り心頭になるのも当然だ。

 とはいえ、新規顧客は獲得できているではないか、という見方もある。確かに新規の客ではあるが、リピーターになるかどうかは別問題。サービスレベルが低下した状態では、客はまた来たいとは思わないはず。また、サイゼリヤの創業者である正垣泰彦氏は「激安セールで集めた客は常連にならない」と言っている。価格を戻した瞬間に、来なくなるというのだ。確かに、クーポンを利用する人は、割り引きしている店だけを渡り歩くケースが多い。

 このようなことがあると、店側も大ダメージを受け、ユーザーも不快な思いをする。儲けるのはクーポンサービスだけという結果になる。クーポンを利用した店が「二度とクーポンサービスはしない」とSNSなどで宣言することも多く、まるで焼き畑農業のような状態だ。とはいえ、飲食店は全国に70万軒ある。情報に疎い経営者を見つけるのは難しくないだろう。

 結局、個人店でクーポンビジネスを利用するなら、発行枚数は身の丈に合ったレベルに抑える必要がある。クーポンサービスの営業は、枚数が多いほど売り上げが立つので増やそうとするが、乗ってしまうと経営が傾きかねない。また、価格設定もできるだけ正直にあるべきだ。個人店を経営していると、忙しい日々を送っているため、世間の情報に疎くなりがちだが、半面、客側はインターネットを介して、それまでのメニューを調べることなど朝飯前なのだ。

 ユーザーとしても、混み合う時間帯を避けるようにするといいだろう。店への気遣いというより、自分へのサービスを向上させるためだ。さすがに店がガラガラなら、イラつかれることもないだろう。さらに上級者は、メニューが二重価格表示からの割引になっていないか、店のキャパシティオーバーになっていないか、などをチェックしたいところだ。
(文=柳谷智宣)

最終更新:2013/03/22 12:35
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