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TSUTAYAとゲオ泥沼競争の果てに…ビデオレンタル業界がヤバイ!

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TSUTAYAとゲオ泥沼競争の果てに…ビデオレンタル業界がヤバイ! – Business Journal(3月24日)

post_1744.jpg業界の意向を受けたゲオが暴走開始!?
(「Wikipedia」より)

 現在、80円、50円といった低料金を打ち出すGEOとの価格競争が泥沼にはまりこんだTSUTAYA。この状況を打開するための戦略の一つとして『アメイジング・スパイダーマン』など、人気タイトルのレンタルを独占。これによって下落するレンタル価格を維持したい考えだ。こうしたTSUTAYAの動きに対して、横浜でビデオレンタル店「ファレノ」を経営するヤタ企画・矢田公司氏が待ったをかけている。昨年、TSUTAYAの『アメイジング〜』独占レンタルを差し止めるために訴訟を起こした原告団の一人だ。

「ソフトメーカーであるソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)が、『アメイジング〜』を含めた4タイトルにおけるサブライセンス権(独占レンタル権)の入札を行ったのが2012年の夏。この結果、10億円以上と噂される金額でTSUTAYAが落札し、同タイトルをはじめとする4本が、ほかの店舗には流通せずTSUTAYAのみで独占レンタルされることが決定したんです」(矢田氏)

 この入札に参加したのは、TSUTAYA、GEO、そしてそれ以外の“一般店”と呼ばれる各レンタル店への卸メーカー2社。だが、矢田氏は「業界では(この入札が)『出来レースではなかったか?』と疑問を投げかける人も多い」という。

「通常、卸メーカーが仕入れを行う際に、ソフトメーカーに対して数億円という金額を支払うとは考えにくい。また、薄利多売を追求するGEOでは、独占には興味を示していません。今回の件でTSUTAYAがSPEに支払った金額は、そう言われてもおかしくないほどのものですよ。TSUTAYAの独占レンタルを阻止することはもちろん、この流れがビデオメーカー全体に波及することを防ぐために、今回の訴訟に踏み切ったんです」(同)

 過去にも、TSUTAYAがソフトの独占レンタルを行ったことはあるが、『キック・アス』や『スクリーム4』など比較的小規模な作品に限った話。国内興行収入30億円のタイトルが1チェーンのみに独占される事態は前例がない。では、どうしてTSUTAYAでは、業界の慣習を破って独占レンタルへの舵を切ったのだろうか?

 実は、TSUTAYAがほかの一般店だけでなく、利用者からも反発が起きそうな措置に踏み切った裏には、ソフトレンタル業界の現状があるという。レンタルビデオの売り上げは、2007年の3600億円から2010年の2600億円と、4年間で1000億円も市場規模が縮小。その中で、全国にあるビデオ店3600店のうち、TSUTAYAは1400店、GEOは1200店と、2社で3分の2以上を占めている。両社は、縮小する業界の中で、価格競争によって、周辺の一般店を駆逐しつつ生き残り合戦を繰り広げてきた。そして、強気の価格設定を打ち出して勢力を伸ばすGEOに対して、TSUTAYAが取った戦略が「独占」という付加価値を創出することだった。このTSUTAYAの戦略に、市場規模が縮小し続けるソフトレンタル市場でなんとしても利益を確保したいソフトメーカーの思惑が重なり、『アメイジング〜』をめぐる独占レンタルへとつながったというのが関係者の見立てだ。

 独占の結果、『アメイジング〜』は2012年のTSUTAYA年間貸出ランキングで4位を獲得する人気商品になった。ところで、ライバルであるGEOは、こうした独占戦略に対して興味を示さないのだろうか? そこには、TSUTAYAとGEOとの経営戦略の差が如実に現れている。

 GEOの収益の柱はゲームなどの中古販売事業であり、利益率の低いビデオレンタル事業は中古販売につなげるための集客の一環であり、レンタル事業をあまり重視していない。また、GEOが抱える1200の店舗のうち8割が直営店であり、客単価が減少する低価格路線を追求しても、店舗からの反発はない。その結果、ほかのレンタルビデオチェーンと徹底的に差をつけるための「50円レンタル」が成立し、ソフトレンタル業界にデフレを巻き起こした。

 そもそもTSUTAYAと比較して後発組のGEO。その成長には、ソフトレンタル業界の総意があったようだ。業界をよく知るジャーナリストは「やや推測もまじりますが」と前置きしながら説明する。

「2000年ごろ、1000店舗をにらむ勢いで、爆発的な店舗展開を見せていたTSUTAYAに対抗する存在として、各ビデオメーカーではGEOを台頭させたいという思惑があったようです」

 圧倒的な店舗展開を後ろ盾にすることで、ビデオメーカーに対して有利な仕入れ条件を強要するTSUTAYA。この流れをけん制するために、主に洋画メジャーによってTSUTAYAよりも有利な仕入れ条件で育成されたGEO。その思惑は成功し、2005年には600店だった店舗数が、8年間で2倍の数に成長した。まさか、実力をつけた業界の寵児が、各メーカーの思惑を飛び越えて、業界全体を存亡の危機にまで陥らせる存在になるとは、当時誰も思っていなかったという。

 一方のTSUTAYAは、新刊書籍・CD販売など利益率の低い事業であり、レンタルも大事な経営の柱となる。レンタルで収益を確保しなければ、店舗の経営は成り立たないほどだ。また、FC店が9割を占めることから、低価格キャンペーンの乱打はFC店オーナーからの反発を招きかねない。

「TSUTAYAは一等立地に出店し、店舗の坪数もそれなりに確保している。だから、地代やテナント料などの固定費が割高になってしまいがちなんです。この激安戦争を仕掛けられて、今いちばん悲鳴を上げているのは、TSUTAYAのフランチャイズオーナーなのではないでしょうか」(前出ジャーナリスト)

 TSUTAYAでは、本部の方針により、これまでキャンペーンとして行われていた旧作一週間100円レンタルが1000店舗以上で実施されており、客単価は低下。FC店には本部に対しての不満が充満しているという。『アメイジング〜』の独占レンタルは、本部から各FC店オーナーに対する“アメ”として、振る舞われたという側面もあるのだ。

 縮小の一途をたどるソフトレンタル業界の市場規模が、このままのペース落ち込むならば、2020年には業界として消滅することになる。GEOの仕掛ける終わりなき激安戦争の果てに、業界全体が自滅していくのか? TSUTAYAの「企業努力」という名の独占戦略で、ユーザーに対して不便を強いるのか? もしくは、新たな突破口を見いだすことができるのか?

 業界に残された時間は少ない。
(文=編集部)

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最終更新:2013/03/25 14:00
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