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【『ニコ生ナックルズマガジン』出張版】深夜の六本木を歩く~六本木フラワー事件の余波

 ロアビルには人だかりができていた。クラブ「B」に入る為に並んでいる客だ。もうここで起きた殺人事件のことなど忘れているのだろうか。もちろん、忘れてはいないだろう。入り口には厳重なセキュリティが施されていた。スーツ姿の屈強な男がIDチェックをする。そしてドレスコード。足首が出ているようなズボンやサンダルみたいな靴を履いている人は追い返される。僕は免許証を持っていないため、住基カードを見せて通過。

 隣のビルのバーに入ってみる。高い階なので外苑東通りが見渡せる。対面にドンキホーテ。六本木フラワー事件の犯人らがここで目出し帽を購入したと推測する人間もいるが、どうだろうか。「夜の住民」たちの噂話に過ぎないのかも知れない。

 ロアビル横に行ってみる。長方形の監視カメラが路上を狙っている。フィリピン大使館のある道だ。六本木フラワー事件の犯人らはこの道を使ったのだと思われる。するとこのカメラで撮影されたものが公開されたのだろうか。

 道を渡って摘発された「ガスパニック」の前に行ってみる。驚くほどバウンサーが多い。こんなに多かっただろうか。フラワー事件の余波なのだろうか。それとも注意してみているから多いように見えるのだろうか。

 六本木通りを渋谷方面に下ってみる。西麻布交差点を渡って右にはローソンがあり、その地下には一時人気を博した「トゥールズ・バー」があったのだが、今は飲食店に変わっていた。まったく変わっていなかったのが交番横の地下に降りるクラブ「S」だ。相変わらず目立たない作りで、気が付かなければ通り過ぎてしまうだろう。店内は週末だというのに混雑していない。タトゥーが入った白人が踊っている。この箱はこんなもんだったかなと思い、コロナビール一杯で退出する。かかっている曲がトランスということもある。最近の六本木におけるクラブの流行はトランスというイメージが、僕にはある。

 道路を渡ると人気のクラブ「M」がある。女優Hがここで酔態をさらしたという事で有名になった(?)クラブだ。ここでも入店待ちの人だかりができていた。こういう場合は男同士の客は門前払いである。女の子を優先で入店させる。追い返された客は不愉快になるかも知れないが、しょうがない。それがクラブのルールである。

 朝方になる。外人たちが騒いでいる。日本人の酔客が掴み合いをしている。しばらく様子を見て、エキサイトするようなら止めようと思ったがお巡りさんが駆け付けてきた。誰かが通報したのだろう。

 「実話ナックルズ」の巻頭カラーを飾る篝一光さんや権徹さんの写真通りの光景が繰り広げられていた。
(文=久田将義)

●ひさだ・まさよし
 1967年東京都世田谷区生まれ。神奈川県横浜育ち。法政大学社会学部を卒業後、(株)産経メディックスに入社。その後、三才ブックスに入社、「別冊ラジオライフ」編集部に所属。後に、ワニマガジン社へ移籍、その傍ら、ムック「ワニの穴」シリーズの編集人。2000年、ミリオン出版に移籍し「ダークサイドJAPAN」の創刊編集長。2001年、「実話ナックルズ」編集長。2005年、「実話ナックルズ」編集長兼任で「ノンフィクスナックルズ」「THE HARD COREナックルズ」創刊、2012年9月末日にミリオン出版を退社。2012年9月より、ニコニコでブロマガ「久田将義の延長!ニコ生ナックルズ」を配信開始。

・久田将義の延長!ニコ生ナックルズ
<http://ch.nicovideo.jp/hisada>

最終更新:2013/05/07 12:00
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