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2期連続減収ヤマダ電機全役員が降格 創業会長が社長に異例復帰の舞台裏

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2期連続減収ヤマダ電機全役員が降格 創業会長が社長に異例復帰の舞台裏 – Business Journal(5月5日)

post_2042.jpg(ヤマダ電機LABI渋谷店
「Wikipedia」より)

 山田昇会長(70)が6月27日付で社長に復帰する。一宮忠男社長(57)は代表権のある副社長に降格する。上場以来初めて2期連続減収減益になったことを受けて、取締役全員の役職を下げるという、懲罰的な人事を断行する。

 6月27日以降も、CEO(最高経営責任者)は山田氏、COO(最高執行責任者)は一宮氏だが、山田氏が社長に復帰すれば、実質的には山田氏がCOOを兼務するのと同じになる。2人の執行役員副社長が執行役員専務になる。5人の執行役員専務は同常務に、7人の同常務は上席執行役員になる。各役員の担当分野に変更はない。仕事は同じで格下げになるわけだ。

 2013年3月期の配当は従来予想より16円少ない60円(その前の期は76円)とすることも4月30日に発表した。

●家電量販店が薬を売る時代

 家電量販店が薬を売る時代になった。ビックカメラは4月5日から通販サイト「ビックカメラ・com」で副作用のリスクが比較的低いとされる第3類の一般用医薬品(市販薬)の販売を始めた。扱うのはビタミン剤や整腸薬など540品目。市販薬のネット販売規制を無効とした1月の最高裁の判決を受け、ネット通販サイトで医薬品を扱うことにした。当面は国がネット販売を認めてきた第3類のみで、副作用のリスクが高い第1類や第2類は扱わない。

 家電量販店の通販サイトで薬を買う消費者がいるのかどうかということよりも、家電量販店が薬を売らなければならないほど販売不振が深刻だということなのだ。家電エコポイント制度と地上デジタル放送への移行に伴う需要の反動で、市場の低迷はずっと続いている。アベノミクス景気は家電量販店の頭上を通り過ぎていっているかのようである。

 ビックカメラの13年8月期第2四半期(12年9月~13年2月の累計)は、コジマのグループ化で売上高は前年同期比52%増の3997億円となった。一方でベスト電器を持分法適用から除外したことで発生した、投資有価証券評価損25億円を特別損失として計上。その結果、当期損益は11億円の赤字(前の期は19億円の黒字)となった。通期では10億円の黒字を見込んでいるが、それでも前年に比べて75%の減益だ。

 ビックの傘下入りに伴い、コジマは決算月を3月から8月に変更した。13年8月期第2四半期(12年9月~13年2月の累計)の当期損益は、29億円の赤字。通期でも22億円の赤字を見込む。従来予想は23億円の黒字だった。

 家電量販店のガリバーとして君臨するヤマダ電機も例外ではない。国内のシェアは30%弱だ。

 ヤマダは4月22日、13年3月期通期の業績見通しを下方修正した。売上高こそ、従来の1兆7180億円から1兆7040億円(前期比7.2%減)と小幅な減収にとどめたものの、本業の儲けを示す営業利益は573億円から330億円(同63%減)へと大幅な減益に。当期利益は340億円から220億円へと引き下げた。12年3月期の当期利益583億円から62%の最終減益だ。

 家電エコポイン制度と地デジ化の需要の先食いの反動で、家電量販店業界は新たな戦国時代に突入した。業界の淘汰が加速すると読んだヤマダの山田昇会長は、シェアを拡大する絶好のチャンスと大量出店を推し進めた。前期(13年3月期)の期初の時点では、営業利益は925億円(前期比4%増)と増益を見込んでいた。ところが、家電不況が予想以上に深刻なため、12年11月時点で営業利益見通しを573億円へと下方修正。さらに今回、330億円に大幅に減額。期初の見通しからみると、3分の1に大きく下振れした。

 シェア拡大を狙ったベスト電器の買収も読みを誤った。ベストの13年2月期通期の連結売上高は、とうとう2000億円を割り込み、1912億円(前期比27%減)に落ち込んだ。営業利益の段階から赤字となり、当期損益は173億円の赤字(前期は6億円の黒字)。買収効果が出ないばかりか、財務面でも足を引っ張る結果となった。

 ヤマダは中国事業の読みも誤った。沖縄県・尖閣諸島問題による日中関係の悪化を引き金に日本製品の買い控えが起った影響から、12年3月にオープンしたばかりの中国・南京の大型店を5月末に閉鎖する。瀋陽店、天津店については営業を続けるが、サプライチェーンの構築が思うように進まないことから、積極的に出店する方針だった中国市場は、抜本的な見直しを迫られる。今後、東南アジアに軸足を移す。

 10年2月期に売上高が2兆円を突破し、次のステップとして3兆円の目標を掲げたが、その後は縮小の一途を辿る。ベスト買収を発表したときには、売上2兆円回復といわれたが、ふたを開けてみればベストと合算しても2兆円に手が届かない。ことごく読みが外れている。それでもヤマダの減益幅は同業他社に比較すれば、よく踏みとどまっているほうだ。2番手以下の家電量販店は総崩れの状態だからだ。

 12年、ビックがコジマを、ヤマダがベストを買収したとき、家電量販店業界は、ヤマダ、エディオン、ケーズホールディングス、ビック、ヨドバシカメラの5大グループに集約された後に、大手同士の事業統合という再編シナリオが語られた。

 ところが、ここへ来て、大手同士の再編観測は影を潜めた。業績が悪化しているためだ。合併効果が出ないことがわかってきただけではない。家電量販店の敵が、同業他社ではなくなった。米アマゾンに代表されるインターネット通販が最大の脅威となってきた。

 ネット通販の脅威は2つある。1つは量販店がショーウインドー化することだ。消費者は店頭に行き、実物の商品を実際に触って確かめるが、その店舗では買わない。その場でスマホ(スマートフォン)を活用して、同じ商品を一番安く売っている通販サイトから購入する。若い女性は百貨店でファッション衣料の品定めをして安い専門店で購入する消費行動をとるが、家電にも、これが及んできた。

 2つ目は価格だ。ネット通販のほうが家電量販店より安く購入できるようになった。これは家電量販店にとっては死活問題だ。ネット通販の価格に対抗するためには仕入れコストを引き下げるしかない。異業種と提携するか、自前のネット部門を強化するためにネット通販会社を買収するという選択肢が考えられる。

 ヤマダ電機は力を入れる住宅(エコハウス)事業も、まだ黒字化していない。市場の平均的な予想では2014年3月期の連結純利益は333億円と前期推定比51%増える。景況感の改善による個人消費の伸びに期待している。

 14年4月の消費税増税で家電市場が一段と冷え込むのは避けられない。異業種を巻き込んだ再編はこれからが本番だ。
(文=編集部)

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最終更新:2013/05/06 07:00

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