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往年のファンもうならせる驚愕の展開!『スター・トレック イントゥ・ダークネス』

HH-27766R.jpgPhoto credit: Zade Rosenthal
(C) 2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

 夏休み映画の公開もいよいよ大詰めだが、アトラクション感覚の3Dムービーの封切りはまだまだ続く。今週の当コーナーでは、ハリウッドの才能と技術を結集したスペースアドベンチャー超大作と、比較的低予算ながらB級映画のよくあるプロットをテンコ盛りにした意欲作という、好対照な3D映画2作品を紹介したい。


 『スター・トレック イントゥ・ダークネス』(8月23日公開、2D/3D)は、60年代からテレビドラマと映画で根強い人気を集めてきたSFシリーズのリブート作『スター・トレック』の続編。西暦2259年、宇宙船USSエンタープライズを率いる若きカーク船長(クリス・パイン)は、惑星調査中に陥った危機からスポック副長(ザッカリー・クイント)を救うため重大な規則違反を犯し、艦長職を解任されてしまう。その頃、ロンドンの艦隊基地が爆破され、犯人は艦隊士官のハリソン(ベネディクト・カンバーバッチ)と判明。捕獲の命を受けエンタープライズで旅立つカークらに、ハリソンが仕掛ける冷酷な罠が待ち受けていた。

 監督は前作に引き続きJ・J・エイブラムス。スティーブン・スピルバーグ製作の『SUPER 8 スーパーエイト』でメガホンをとり、『スター・ウォーズ』の新シリーズ監督をジョージ・ルーカスから委ねられたエイブラムス監督は、いまや2人の巨匠のみならずハリウッドから最も信頼されるSFアクション分野のヒットメーカー。カークとスポックを中心とする若きクルーたちの成長と絆のドラマや、強敵との手に汗握る攻防を、3DとIMAX撮影に最新の視覚効果を織り交ぜてダイナミックかつ情感豊かに描き出した。クルーを演じるゾーイ・サルダナ、サイモン・ペッグ、アントン・イェルチンらの続投もうれしいが、英俳優ベネディクト・カンバーバッチがメインキャスト陣を圧倒するほどの存在感で敵役ハリソンを熱演。対決の結末は明かせないが、往年のファンもうならせる驚愕の展開が待っている。前作を未見の方は、事前にDVDなどで鑑賞しておくと一層楽しめるはず。そして可能であれば、IMAX 3D版の上映館で迫力の映像を堪能していただきたい。

 続いて8月24日公開の『パニック・マーケット3D』(R15+)は、オーストラリアとシンガポールの合作としては初の3D映画。オーストラリアの海岸でライフセーバーの仕事をしていたジョシュは、婚約者ティナの兄が自分の代わりに沖に出た時サメに食い殺されてしまったことで、ティナとも別れてしまう。1年後、海岸近くのスーパーマーケットで無気力に働いていたジョシュは、店内で偶然ティナと再会。それもつかの間、銃を持った強盗が発砲して1人の女性を射殺し、ティナを人質に取る。店内がパニックに陥った次の瞬間、津波が沿岸部に押し寄せ、半地下のスーパーのフロアに大量の海水が流れ込む。押し流されたトラックに入口をふさがれ閉じこめられた十数人に、津波とともに入り込んだ巨大人食いザメが襲いかかる。

 人食いザメをはじめ、洪水、強盗殺人犯、高圧電線といった具合に、B級ホラーやサバイバルパニック系の「あるある」を寄せ集めた“見本市”的な一本。とはいえ、オリンピックサイズのプールにスーパーのセットを作って数千トンの水を流し込むというアイデアが奏功し、売り場フロアと地下駐車場の2面で展開するストーリー構成も相まって、こうしたジャンル映画のファンならそこそこ楽しめる出来に。『エクリプス トワイライト・サーガ』のゼイビア・サミュエル、『ステップ・アップ3』のシャーニ・ビンソン、『ファンタスティック・フォー』シリーズのジュリアン・マクマホンなど、それなりに知られた俳優陣も出演。宣伝文句によると中国では「アバター」を超えて2012年の興行収入ランキング1位に輝いたというが、過剰に期待せず、絶叫マシンやお化け屋敷の感覚で気軽に楽しむのがよさそうだ。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『スター・トレック イントゥ・ダークネス』作品情報
<http://eiga.com/movie/55158/>

『パニック・マーケット3D』作品情報
<http://eiga.com/movie/58043/>

最終更新:2013/08/23 21:00
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