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掟ポルシェのアイドルプロデュース論 Perfume、東京女子流、Negiccoの曲はなぜ面白い?

20130831-okite.JPG【リアルサウンドより】 アイドル界の論客としても知られる掟ポルシェ氏が、シーンの最前線を語る集中連載第4回。最終回となる今回は、アイドルをプロデュースするうえで大切なビジョンとはなにかを語ってもらった。

第1回:ハロプロはソフトレズ容認へ!? 掟ポルシェが語る『アイドルと恋愛』
第2回:BABYMETAL、BiS階段…「規格外のアイドル」が次々登場する背景を掟ポルシェが分析
第3回:掟ポルシェが語るハロプロの真価 つんく♂サウンドの「特殊性」とは?

――ハロプロ以外では、掟さんが最近、特に注目しているグループは?

掟ポルシェ(以下、掟):東京女子流、Negicco、hy4 4yh(ハイパーヨーヨ)、Especia、アップアップガールズ(仮)、ライムベリーあたりでしょうか。特に東京女子流は、メンバーのキャラクターとやっている音楽が対極にあるのが面白い。平均年齢15歳ぐらいの女の子なんだけど、やっているのはこの上なく渋い大人の音楽。70年代のブルース・ロックやスティービー・ワンダーみたいなブラック・ミュージック、80年頃のA.O.Rなどの要素が曲に散りばめられていて、サウンド・プロダクションが豪華です。最新シングルの『運命』なんて90年代のニュージャックスイングっぽさも感じられたり、現代のいわゆるベタなアイドル曲とは、そのフォーマットと目指すものが完全に別次元にあって、その洗練が際立っています。歌謡曲マニアがいてもたってもいられなくなるラインを完全に押さえている。その大人びた曲を大人が圧倒的な歌唱力をもって普通に歌ったら、それは今までの歌謡の歴史の中にあったものになりますが、質朴な十代の女の子の歌声がそこに乗ることで化学反応が起き、新鮮な驚きが生まれます。

東京女子流『運命』(avex trax)

 プロデューサーの藤原俊夫さんは、たどり着きたい正解がハッキリと見えている人。アレンジャーの松井寛さんが藤原さんのアイデアを最短距離で的確に形にしていく。制作のチーム女子流には完全に正解というものが見えているんです。アイドルにどういうことをやらせたいのかが明確にあるのが強み。あそこまでビジョンがハッキリ見えている制作チームはなかなかいませんね。

――歌い手のポテンシャルを超えている曲をあえて用意していると?

掟:難しい曲を少しずつものにしていく経過が応援したい気持ちを喚起して良いという捉え方もあるし、自分の場合は、音階の一番上の部分やサビで声量のいる部分が時に裏返ったり、パーフェクトに歌いきれてないこと自体が美徳と思っています。アイドルの歌はテクニカルになりすぎると、前回にも書いた、アイドルの「可愛さ=拙さ」という本懐が薄れて、魅力の一端が損なわれてしまう恐れがありますし、今の状態ですでにベストではないかと。

 あと、東京女子流はセンターの新井ひとみさんがとても不思議で面白い。15歳なんですけど、近年、「宇宙人が時々自分の意識に入ってくるので交信している」と言う。普通ならアウトでしょうが、朴訥とした純真な佇まいの新井さんが言うと、「新井ひとみが言うのだから虚言ではない」と確信できるものがある。でも、メンバーの中でも大人びていて現実的な思考の小西彩乃さんは、(んなわけねーじゃん)と思っているのか、「じゃあさ、宇宙人に今晩のご飯は何を食べたらいいか聞いてみてよ」なんて、いじわるを言う。すると新井さんは笑顔のまま表情ひとつ崩さず、「わかりました、聞いてみます(ややななめ上を凛と見つめて)…………(何かの答えが降りてきたようにハッとした顔で)きました! 今晩のご飯はすいとんです」って(笑)。なんで宇宙人が15歳の少女にすいとんを食えとアドバイスしてるんだ、いや、それ以前になんで宇宙人がすいとん知ってんだよとか、いろいろ思いますが、新井さんがいうのだから、まぁ、その、100%真実です。年齢に不似合いなまでの純真過剰がもうたまらないですね。卓越した楽曲を歌っていても、やっているアイドルたちが音楽に飲み込まれていない部分があるのがすごいんですよ。


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