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祝AKB48論客卒業! 小林よしのり“AKBトンデモ語録”を振り返る

 このように、AKBにハマッたおじさんの痛さをものの見事に体現してきた小林だが、その一方で“AKB言論”として果たした役割はとても大きい。たとえば、前出の河西智美が「週刊文春」(文藝春秋)にAKS社長の窪田康志との「お泊まり不倫」を報じられた際、あらゆるメディアは“黙殺”したが、小林は「あまりにも河西のイメージ通りで、がっかりだ」と世間の声を代弁するかのような一言を発表。そればかりか「運営会社の社長ってのも、どうかしてるぜ 自社の商品に手をつけるのは、芸能界では普通なのか?」と、毅然とその“喜び組体質”を批判したのである。

 また、同じように各メディアには黙殺されたが、「文春」が柏木由紀とJリーガーの合コンを暴いた時も、「世間的には20歳過ぎの女性が朝までコンパしたって非難はできないが、わしが父親なら娘を叱る」「公式に謝罪だけはしたほうがいいとわしは思う」と明言。本来はAKBのシステムを語る上で言及すべき“暗部”にも踏み込む姿勢は、臭い物にはフタをし、運営のご機嫌をうかがって嬉々と「恋するフォーチュンクッキー」を踊る宇野や濱野とは一線も二線も画す部分だろう。

 ……とはいえ、この小林の態度は“推しメン外のスキャンダル”だからこそ強気ともいえる。前田敦子が佐藤健との合コンで“泥酔お尻丸出し”写真を撮られ、その現場に居合わせた大島がコンサートで泣いて謝罪した時には、「前田敦子が今もっとも信頼を寄せてるのが大島優子なんだから、あっちゃんが好きな男にコクる場面に立ち会ってやるのは友情じゃないか」と、無茶苦茶な論理で援護。逆に“天敵”である指原莉乃のスキャンダルが発覚した際には「写真を流出させたりするようなしょうもない男と付き合ってしまう脇の甘さ」と、かわいそうなほどに非難している。この都合の悪い話には目をつぶり、都合がいい話は思いきり強調する点は『ゴー宣』の方法論と同じ。ついでに言うと『AKB48論』では、指原の顔がかなり憎悪に満ちた描き方がされているのだが(まともに描いた箇所には、わざわざ「かなりかわいく描いてしまったかも」と書き添えるほど)、これも『ゴー宣』ではおなじみの“味方=美麗、敵=悪人顔”という描き分けと一緒である。このことからもわかるように、小林がネタとして指原に暴言を吐いていたのではなく、かなり本気で嫌っているようだ。

 ──こうして小林の発言を振り返ると、ツッコミどころは多々ありながらも、ある意味ヲタを楽しませ、運営に一石を投じてきた部分があることは確か。中には小林の“卒業宣言”に対して、「AKB評論家として引退してもヲタは辞めないだろうから、またきっと復活してくれるはず」と期待を寄せる者も少なからずいるようだ。だが、忘れてはいけないのは、あれだけ入れ込んでいた薬害エイズ問題でも運動がある程度の成果を挙げた途端、手のひら返しをして川田龍平批判を始めたり、『戦争論』や「新しい歴史教科書をつくる会」で若者の右傾化をさんざん煽りながら、突如ネトウヨ批判に転じたりという“前科”があること。熱を上げるものの、冷めるのも早いよしりん先生。もしかしたら、そのうち「AKBが日本をダメにした」などと言い出したりして……!?
(文=エンジョウトオル)

最終更新:2013/10/09 18:00
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