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女子アナ名鑑 第5回

滝クリ+エレーヌ=加藤シルビア? 変わりゆく「ハーフ女子アナ論」

shirubia.jpgTBSアナウンサーオフィシャルサイトより

テレビ不況の昨今、ギャラがかからない女子アナはキー局の頼みの綱。似て非なる彼女たちの魅力を、女子アナウォッチャーが語り尽くす!

 帰国子女、留学、TOEICなど、「海外」にまつわる経験や才能が、女子アナのウリのひとつになっている。それらの特化系といえるのが、日本人と外国人を父母に持つハーフであり、キー局ではこれまでに幾人かのハーフアナが誕生してきた。今回は、そんなハーフアナについて考察してみたい。

 日本人はハーフに対して、ある種の固定観念を抱いているように思われる。単一国家で培われた精神性なのか、コンプレックスなのか、とにかくハーフを特別視する傾向があるのは間違いない。それはハーフの女子アナに対しても同様であり、彼女たちは「知的」もしくは「奔放」という、相反する言葉で形容されることが多い。そして、このふたつのイメージのどちらが定着するかによって、その後のアナウンサー人生は大きく違ってくる。

 まず、「知的」という印象を損なわずに大成したハーフアナは、滝クリこと滝川クリステルだ。『ニュースJAPAN』(フジテレビ系)での“斜め45度”で知的かつクールな美女というイメージをつかみ、フリー転身後もインテリ派であることを定着させていく。それは巧妙なイメージ戦略であり、違和感は若干残るものの、その徹底ぶりには舌を巻く。バラエティ色を極力排除して報道番組やイベント司会のような仕事を選び、親善大使のような文化的色合いの強い地位をこれでもかと獲得していく。その集大成がフランスの芸術文化勲章シュヴァリエの受賞であり、「お・も・て・な・し」で話題を集めた夏季東京五輪誘致のプレゼン担当であったわけだ。正直なところ、アナウンサーとしての滝クリは決してうまいわけではなく、報道キャスターとして続けていくのは厳しいだろうと思っていた。だが、『ニュースJAPAN』を降板する前後から、テレビやCM出演のほかに社会や文化事業系の仕事を増やしていき、現在ではアナウンサーというより文化人として活動できるまでになったのには驚かされた。最初はインテリ派として期待されながらも、度重なる不倫で没落していった山本モナとはえらい違いである。

 一方、「奔放」というイメージがすっかり定着してしまったのは、日テレの石田エレーヌアナ(旧姓葉山)。バラエティ番組特有の自虐ネタを控えてきた滝クリと異なり、石田アナは新人時代から合コンネタを暴露されたり、自身の恋愛ネタを面白おかしく告白するなど、いわゆる「奔放さ」をウリにする演出を数多くこなしてきた。その「奔放さ」はハーフへの固定観念と相まって視聴者の注目を集め、メディアの登場回数も増えて抜群の知名度を獲得するようになったが、それと平行して「知的」というイメージから遠ざかっていくことになる。そして現在、滝クリと同じく日本人とフランス人のハーフでありながら、メディアから“肉食系アナ”と揶揄されるような、インテリとは真逆のキャラクターとして認知されるようになった。

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