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3年ぶりにクロエ・モレッツが大暴れ!『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』

tnin_main1.jpg(C)2014『東京難民』製作委員会/配給:ファントム・フィルム

 今週紹介する最新映画は、東京に暮らす普通の大学生がホームレスへと転落していく姿を描くシリアスなドラマと、ニューヨークのオタク高校生がヒーローとして悪と戦うアクションコメディ。設定も展開も対照的な2作品だが、問題と矛盾に満ちた現代の社会とどう向き合うべきか、エンタテインメントを通じて問いかけるという共通点も見逃せない(どちらも公開中)。


 『東京難民』(R15+)は、福澤徹三の同名小説を、『半落ち』(03)、『夕凪の街 桜の国』(07)など社会派エンタテインメントで知られる佐々部清監督が映画化した衝撃作。ごく普通の大学生活を送っていた修(中村蒼)は、借金を抱えた父親の失踪を契機に、授業料未払いで大学を除籍され、家賃滞納でアパートも追い出される。ネットカフェに泊まりながら日払いバイトで食いつなぐが、ある日、だまされて入ったホストクラブで働くことに。華やかなホストの裏側を知った修は無傷で抜け出すことができず、ついにはホームレスにまで転落してしまう。

 軽薄な大学生、染まりきれないホスト、さらに劣悪な環境に置かれながらも誠実に生きようとする主人公・修を、中村蒼が自然な雰囲気で好演。ホストクラブの恐い店長に扮する金子ノブアキ(人気バンドRIZEのドラマーでもある)の存在感もいいが、出色はホストの修に貢ぎやがてソープ嬢に身を落とす茜を演じた大塚千弘。世間的には妹の山下リオのほうが有名かもしれないが、ヌード、ベッドシーンをいとわず、切なくも慈愛を感じさせる本作のヒロイン役でファンを一気に増やすことだろう。ネットカフェ難民、治験バイト、ホストが寝泊まりするタコ部屋、日雇い労働者を食い物にする貧困ビジネスなど、修がたどる道はさながら現代の“地獄めぐり”のようだが、ラストに残る温かさと希望がこれからの日本に広がることを信じたい。

 もう1本の『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』(R15+)は、アメコミ好きのオタク高校生が自らヒーローとして立ち上がる姿を描いたマーク・ミラー原作のコミックを映画化し、世界的ヒットを記録した『キック・アス』の続編。キック・アス、ヒット・ガールというヒーローの姿を捨て、普通の学園生活を送っていたデイブ(アーロン・テイラー=ジョンソン)とミンディ(クロエ・グレース・モレッツ)。しかし、やはりヒーローしかないと思い直したデイブは、キック・アスの活躍に触発された元ギャングのスターズ・アンド・ストライク大佐(ジム・キャリー)とともにヒーローチーム「ジャスティス・フォーエバー」を結成。そんな彼らの前に、キック・アスに父親を殺されたレッド・ミストが新たにマザー・ファッカーを名乗り、莫大な遺産で集めた殺し屋軍団を率いて姿を現す。

 キュートな少女が超絶な殺人アクションと下品なセリフを決めまくるミスマッチな魅力が全開の前作で人気爆発、メジャー作品から出演依頼が殺到したクロエ・モレッツも今や17歳。スティーブン・キング原作の主演ホラー『キャリー』のヒロインと同様、同級生に意地悪される女子高生ライフの描写もあるが、ある意味、キャリーの念力以上に破壊的でお下劣なミンディの復讐は爆笑を誘う。監督は前作のマシュー・ボーンから、『ネバー・バックダウン』(08)のジェフ・ワドロウに交代。1作目の要素を尊重しつつ、デイブの葛藤と成長を丁寧に描き、終盤の軍団同士の激突も派手に見せてくれるが、残念ながら前作を超える傑作の域には到達していない。とはいえ、完結編とされる第3作での飛躍を期待しつつ、キック・アスとヒット・ガールの活躍ぶりをぜひ劇場の大スクリーンで熱く応援していただきたい。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『東京難民』作品情報
<http://eiga.com/movie/78608/>

『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』作品情報
<http://eiga.com/movie/79094/>

最終更新:2014/02/22 15:00

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