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麻生泰「カツラ業界裏奇譚」第4回

大型連休はハゲの鬼門! 楽しいはずの旅行でグッタリ……

AGAスキンクリニックを開業し、日夜、育毛治療に取り組む麻生泰氏。かつて自らも着用していたカツラの実害や怪しいビジネスについて、正論・異論・暴論を呈す!

【今月の格言】
大型連休はハゲの鬼門! 楽しいはずの旅行でグッタリ……

 今年もゴールデンウィークが迫ってきた中で、そろそろ行楽の予定を練っている人も多いのではないでしょうか。実はカツラをしている人間にとって、大型連休は最大の鬼門。家族はまだしも、カツラをカミングアウトしていない友人や恋人との「旅行」は、本当に気が重くなるイベントなんです。

 まず、手荷物検査がある飛行機の利用はNG。カツラには金具がついているので、金属探知機に意図せずカミングアウトさせられてしまう可能性が大です。当然、苦肉の策として帽子をかぶっていくことも考えます。実際に国内なら「帽子を取れ」とまでは言われないのですが、海外になると融通が利かず、僕自身、東南アジアのある国で恥をかいたこともある(笑)。海外旅行だと、それ以前にパスポートを見られた時に「なんか若返ってない?」と不審に思われて一悶着、ということだってあります。

 飛行機を使っての旅行は回避できたとしても、危険はまだまだあります。旅行といえば温泉、温泉といえば大浴場で、みんなで入るのが基本でしょう。風呂とカツラは非常に相性が悪いので、基本的には「風邪をひいているから」と遠慮したり、「考えごとをしたい」なんて意味のわからない言い訳をして、個室の風呂に入ったりすることになります。ただ、カツラをつけたまま入浴できないということはないので、そのまま入って、「ああ、温泉は気持ちいいね」なんてやることも。本当は全然気持ちよくないし、朝方に人目を避けて、カツラを外して洗うことになります。この孤独すぎる時間が、本当に虚しい。

 また旅行にしても、泊まりの研修にしても、相部屋になることが多いもの。カツラをしての旅行は気疲れが多いし、その上で風呂にも入れば眠くなるところですが、寝るのは絶対に最後。カツラを髪の毛に留めるピンがだいぶストレスなので、何カ所か外して寝たいんです。このへんの作業に気付かれないように最後に寝て、誰よりも早く起きる。研修はともかく、本来的にはゆっくりとリラックスしたい旅行で、なぜこんなに気を張らなければいけないのか……と。

 解決策としては、同室の人にだけ、事前にカミングアウトしておくという方法があります。旅行に行く前に「ちょっと話があるんだけど……」と。こうしておくといろいろと気が楽になるし、弱みを見せることで、その人との距離がグッと縮まるというメリットもなくはない。でも、冷静に考えて、そんな友情いります?

 旅館やホテルって、タッチしたら点灯する丸いライトみたいなものがあるじゃないですか。僕のカツラの定位置はそこで、寝る前にかぶせて置いていたんです。そうして安心して寝ていると、朝、同室の友人に隠されて、朝からテンヤワンヤになったことも。研修の試験日で、「これじゃ試験が受けられない!」「俺は知らないよ~」なんてやりとりをしたこともありました。大勢の前で笑いものにされるわけじゃなく、2人の間での笑い話なので、これをきっかけにかなり打ち解けることになりました。

 こうしてカミングアウトした後も、基本的にはカツラをかぶり続けることになる。そうすると、同じコミュニティの人がチラチラと僕の頭を見ていることに気付くことがあるんです。巨乳の女性と同じように、ハゲは頭部への視線に敏感ですからね(笑)。そういうことがあると、「あ、これは裏でバラされているな」と一発でわかってしまう。人間不信に陥りますよね。

 そうしてさらに人の視線が怖くなり、誰も見てやしないのに、映画館でも、大学の講義でも、座るのは一番後ろになる。言ってみれば、”ヅラバレ”に怯えた悲しきゴルゴ13ですよね。「俺の背後に立つな」と(笑)。こうして、すべてのことから引き気味になり、あらゆる場面で積極性が失われていくんです。

 こんなこと、実際にかつらをかぶってみるまで考えもしませんでした。楽しみなゴールデンウィーク、旅行でかたくなに帽子を取らない友人がいたら、ぜひそっとしておいてあげてください。どうか、ハゲにひとときの安らぎを。

(構成/橋川良寛 bluepoint)

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麻生 泰(あそう・とおる)
1972年、奈良県出身。AGAスキンクリニック総括診療部長。東京美容外科統括院長。大阪医科大学形成外科にて研修医終了。大手美容外科で院長、診療部長を歴任後、東京美容外科を設立。また、AGAスキンクリニックの設立にもかかわり、統括診療部長を兼任する。自身の薄毛に悩み、治療方法を模索・研究し、現在の治療法を確立した。

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AGAスキンクリニック
薄毛で悩んだ麻生医師が、自ら開発し効果を実感した発毛治療を受けることができる院は、全国のAGAスキンクリニックをはじめ、東京美容外科メンズ専科、東京ビューティークリニックなど、全国26院(2013年12月現在)。さらに今後も拡大予定。
ご予約・ご相談はTEL:0120-2323-48
URL〈http://www.aganavi.jp/

AGAとは?
Androgenetic Alopeciaの略で「男性型脱毛症」の意味。成人男性によくみられる髪が薄くなる状態のこと。一般的に遺伝や男性ホルモンの影響などが主な原因と考えられている。現在、全国で1260万人ほどいて、そのうち気にかけている人は800万人、何らかのケアを行ったことのある人は650万人だという。

最終更新:2014/04/19 20:00
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