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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.290

世界は「使われなかった性技」であふれている! ピンク映画50周年記念『色道四十八手 たからぶね』

takarabune_01.jpgピンク映画界で活躍する愛田奈々をヒロインに起用した『色道四十八手 たからぶね』。ピンク映画の伝統を受け継ぎ、35ミリフィルムで撮影された。

 人と人との肌が触れ合う温かみと、その触れ合った肌はいつかは離れなくてはならないという切なさ。渋谷ユーロスペースで封切られる成人映画『色道四十八手 たからぶね』には、そんな生きとし生けるものの万感の思いが込められている。決して大予算を注ぎ込んだ大作でもなければ、大物キャストを起用したわけでもないが、ピンク映画50周年記念にふさわしい心に染みる官能ドラマとなっている。

 『たからぶね』の企画・原案はピンク映画黎明期から活躍し、美保純のデビュー作『制服処女のいたみ』(81)や可愛かずみのデビュー作『セーラー服色情飼育』(82)などを撮り上げた渡辺護監督。製作準備中だった2013年12月24日に渡辺監督は大腸がんのために亡くなり、その遺志を引き継ぐ形で脚本を担当していた井川耕一郎が演出も務め、商業監督デビューを果たした。人と人との出会いと別れの妙こそが、人生でありドラマなのかもしれない。

 本作のキーワードは、タイトルに謳ってある“たからぶね”。おめでたい宝船をめぐって、4人の男女の痴態が描かれる。主人公は千春(愛田奈々)と一夫(岡田智宏)という若い夫婦。一夫が出勤する際には千春がキスで見送るという、甘い新婚気分を漂わせている。セックスに関して千春は奥手だが、そんな妻のことを一夫はウブな女だとかわいく思っている。ある晩、千春がベッドの中で寝言で「たからぶね」と呟く。七福神が乗る宝船のめでたい夢でも見ているのかと、一夫は微笑ましく千春の寝顔に見とれていた。夫婦水入らずの幸せな時間が流れていく。

 一夫は千春を連れて、叔父の健次(たかみつせいじ)と妻・敏子(佐々木麻由子)が暮らす家に遊びにいく。身寄りのない千春が敏子から家庭料理を習っている間、一夫は健次がこっそり隠し持っていた年代物のエロ写真集を見せられる。その写真集は江戸時代の春画を実演したもので、“四十八手”と呼ばれる様々な体位が網羅されていた。見慣れた体位からアクロバティックなものまで並ぶ中、あるページに一夫は目が釘付けとなる。そのページでは仰向けになった男が片足を直角に上げ、男の上に股がった女はその足にしがみついている。男の足を帆柱に見立てた性戯“宝船”、別名・交叉対向男性仰臥位だった。騎乗位で男を操る女は、まるで弁天さまのようだった。「宝船という体位があったんだ。よ〜し、いつか千春と試してみよう」とにやける一夫。でも、いつかという日は決して訪れない。千春のウブさは一夫にだけ見せていた仮面であって、実は不倫の常習者であることが分かる。しかも、千春の不倫相手は意外な人物だった……。


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