日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > ネットバンクより危ないIP電話
ITライター柳谷智宣の「賢いネットの歩き方」第71回

IP電話はネットバンクのアカウントよりも高リスク? すぐにできる“乗っ取り”防御策とは

 防御策はいくつかある。まず、IPサービスを使わないこと。もしくは海外に発信できないようにすること。しかし、これは本末転倒だ。通話料を安く抑えているユーザーには我慢できないことだろう。次に、パスワードをしっかりと運用すること。本連載で繰り返し述べているが、きちんとアカウントを管理していれば、そうそう不正アクセスの被害に遭うことはない。定期的にパスワードを複雑な文字列に変更するクセさえつけておけば、情報が漏洩しても被害は限定される。

 とはいえ、今回の件はIP電話の仕組みにも大いに欠陥がある。まず、外貨獲得を狙い、悪徳業者が跋扈する仕組みを作っている国への発信は止めてしまえばいいのだ。それが無理だとしても、個別に発信を禁止する設定を行えるようにすべき。海外発信でひとくくりにされると、アメリカや台湾など安全で安い通話ができる国にも発信できなくなり、大迷惑。恐ろしいことに、IP電話サービスの中には、海外発信さえ禁止する設定がないところもある。

 すべてのIP電話業者は、すぐに怪しい国への発信を制御する仕組みを導入すべきだ。そうしないと「万一が怖いし、解約しておくか」という流れになりかねない。そうすれば、自分で自分の首を絞めることになる。業界の未来を守るなら、いま被害に遭っている人たちへの請求を一部でもいいので補填してあげてはどうだろうか。自分で血を流せば、早急に対応する必要性も感じられることだろう。
(文=柳谷智宣)

最終更新:2015/06/23 14:00
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