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週刊!タレント解体新書 第31回

ムロツヨシという「余計なこと」をする男 日本テレビ『しゃべくり007』(8月10日放送)を徹底検証!

murotsuyoshiwbb.jpgムロツヨシ公式サイトより

 2015年現在、テレビバラエティの登場人物として主軸を務めているのは、いわゆる「芸人」と呼ばれる職種の人々だ。「ひな壇」や「チームプレイ」といった笑いの取り方はすでに出演者にとっても、視聴者にとっても基本的な作法となっているため、そこに合わせることができないタレントが必要とされることはまれである。ただ、そんな中でも、何か予想外のノイズを起こす人物がどこかで求められている。予定調和なものが当たり前になっているからこそ、その反動として、そうでないものが貴重となる。

 そんな中でいま注目を浴びているのが、俳優・ムロツヨシだ。『勇者ヨシヒコ』シリーズ(テレビ東京系)をはじめとしてクセのある存在感でドラマファンにはおなじみだが、この夏、本格的にバラエティから求められ始めている。『カクガリ君!』(TBS系)では民放初のMCに抜擢。さらに『しゃべくり007』(日本テレビ系)では、そのキャラクターを存分に発揮し大きなインパクトを与えた。

 なぜいま、ムロツヨシが必要とされているのか。それはムロツヨシが、余計なことしかしないからだ。予定調和でこうなるであろうという流れを壊し、あるいは引っかき回し、いじられ、突っ込まれる。ムロツヨシが余計なことをすることによって、チームプレイであったはずの番組が、さらに一段深いものとなる。

 それはムロツヨシに、「俳優」という確かなバックボーンがあるからだ。だから、余計なことが許される。似たような環境のタレントとしては、大泉洋やユースケ・サンタマリアもそれにあたるが、彼らはみなバラエティ番組以外での肩書を持っている。だからこそ、バラエティ番組において「芸人」にはできないような余計なことができるわけで、つまりは異物に近い存在だともいえるだろう。

 そして実際、ムロツヨシは余計なことばかりしている。『しゃべくり007』では、これまでどんな活動をしてきたかを一人でしゃべり続けるのだが、一向に本題に近づかない。「(仕事が)増えた話、教えてくれよ!」と突っ込まれても「昨日のうちから言いたかった!」と主張して、本人が用意してきた「鍋キャスティング」の話をしようと粘る。それが明らかに、余計なことだったとしても。

 『カクガリ君!』でのVTRフリもそうだ。アシスタントの女子アナウンサーからVTRのフリを求められたときの一言目が「それでは、これよりVフリをやりたいと思います」という宣言。それは別に、なくてもいいんじゃないか。すっと行けるだろう、すっと。だがムロツヨシは、あくまでも、余計なことにこだわっている。

 もちろん、こういった余計なことをしてくれるからこそムロツヨシが必要とされているわけだが、そのさじ加減はなかなかに微妙なものがある。単純に余計なことをするだけの人になってしまっては、視聴者としても乗りにくい。大泉洋やユースケ・サンタマリアのフォロワーがどんどん出てこないというのは、余計なことをする、という行動が本人の素のキャラクターや、いわばそれまでに培った人生に重なっていなければ、ひどく薄っぺらいものになってしまうからだ。

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