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三吉彩花、『エンジェル・ハート』で示した身体能力の高さーーアイドル出身女優の強みを読む

【リアルサウンドより】

 初回視聴率12.5%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録するなど、好スタートを切ったドラマ『エンジェル・ハート』(毎週日曜22時半~/日本テレビ系)。『キャッツ・アイ』や『シティーハンター』などで知られる漫画家・北条司の人気コミックの実写ドラマ化だけに、原作ファンからそのクオリティが大いに心配されていた本作だが、第二話の放送を終えた現時点の評判は、概ね上々と言っていいだろう。

 そのいちばんの理由は、“シティハンター”冴羽獠を演じる上川隆也の「違和感のなさ」にある。硬軟織り交ぜた幅広い演技力を持った上川が、原作に最大限のリスペクトを払いながら、隆々とした胸筋をはじめ、肉体改造をして臨んだという今回の役どころ。その熱演は、「原作そのまま!」という声も多い“海坊主”ファルコン役のブラザートムともども、一見の価値があるものとなっている。しかし、このドラマで個人的に最も目を引いたのは、ヒロイン・香瑩(シャンイン)を演じる新鋭・三吉彩花の好演であった。

 1996年生まれの19歳。小学生の頃からファッション誌などでモデルを務め、2010年5月からはアイドル・ユニット「さくら学院」のメンバーとして活動していた三吉彩花(同い年の武藤彩未と松井愛梨は、彼女の同期にあたる)。2012年3月に「さくら学院」を卒業して以降は、女優としての活動を本格化させ、数多くのドラマやCMのほか、『グッモーエビアン!』(2012年)、『旅立ちの島唄~十五の春~』(2013年)といった映画にも出演した。特に、麻生久美子の娘役を演じた『グッモーエビアン!』は高い評価を獲得し、その年の「毎日映画コンクール」スポニチグランプリ新人賞およびヨコハマ映画祭最優秀新人賞に輝くなど、期待の若手女優のひとりなのである。

 そんな彼女が、連ドラ初ヒロインとして今回の『エンジェル・ハート』に臨んだ。彼女が演じる香瑩は、幼少時より「殺し屋」として育てられた殺人マシーンであると同時に、自らの宿命に心を痛め続けているという難しい役どころだ。さらには、冴羽獠の最愛の女性である槇村香(相武紗季)の心臓を移植されたことによって、身に覚えのない記憶と内なる“声”に苛まれるという複雑さ。しかし、そんな難役を、彼女は見事に演じているのだった。特に、10月18日(日)に放送された第二話で彼女が見せた演技は、観ているこちらが思わず身を乗り出してしまうほどの吸引力を打ち放っていた。香の心臓を移植された後、変化しつつある自分に戸惑いつつも、冴羽に向かって「生きるって何なの?」「私は、どう生きたらいい?」と涙ながらに訴え掛ける。長い黒髪と大きな瞳、そして身長171センチというスラリとした体躯。そんな凛とした容姿の内面から溢れ出す感情と、時折見せる表情のあどけなさ……そのアンバランスな雰囲気に、とにかく目が釘付けになってしまったのだ。

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