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伊勢谷友介も長谷川博己も忘れさせる!? 『劇場版 MOZU』で“観客震撼”の役者と、たけしの“素”

 今回、めずらしく“殺人鬼”役を演じた松坂桃李だが、これが圧巻の迫力。彼は序盤から登場するが、顔立ちや雰囲気が、現在出演中の『サイレーン』(フジテレビ系)とはまるで別人で、ためらいもなく人を殺す様はかなり怖い。松坂自身、この役柄について「テンションが上がる」とインタビューで語っていたが、「演技」ではなく「人殺し」を楽しんでいるように見えるのだから、これはもう大成功といえる。後半の池松壮亮とのアクションもキレ十分。役柄の幅も拡がり、今後ますます注目されるだろう。

 ストーリー自体は、壮大すぎて2時間の尺では収まりきらなかった様子。結末を急いだ感もあったが、悪役イケメン俳優陣のハマリッぷりとド迫力映像のおかげか、総合的に観賞後の満足度は得られる内容になっている。ドラマファンなら絶対、ファンじゃなくても時間があれば、というくらいには観に行く価値がある作品である。

 補足で、“ラスボス”を演じたビートたけしの演技に関してだが、はっきりいって「ずるい」。修羅場をくぐり抜けてきた人間にしか出せない「モノホン」オーラが出ていたため、もうこれは演技ではなく限りなく“素”に近いと、筆者は結論づけざるを得なかった。

最終更新:2015/11/11 13:45
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