奇習! 少女の性器を縛り、貞操を守る人々 ― ある集落における監禁虐待の実態=瀬戸内地方
【日本奇習紀行シリーズ】 瀬戸内地方
魯迅の『故郷』に登場するヤンおばさんのそれで知られるように、かつて中国では、女性の足を強制的に成長させないようにすることで、それほど長い距離を歩けない状態にし、その逃亡を阻止するための纏足(てんそく)と呼ばれる手法が定着していた。また、現在でもアフリカ大陸の一部の地域では、女性器の入り口を縫合したり、特殊な外科的手法で施術したりすることで、未成年者の淫行や、既婚女性の浮気を防ぐという手法が定着している。このように、世界各地では古の時代より、女性の「性を縛る行為」が広く浸透していたのである。
「女の股をね、荒縄で縛るの。そう、注連飾りに使うような立派な縄でね。だから褌みたいな状態になっているっていうわけよ」
かつて瀬戸内のとある地域に存在していたという「ある奇習」についてそう語るのは、現在、広島県の特別擁護老人ホームで余生を過ごしている金木謙蔵さん(仮名・74)。彼の証言によると、その地域では、未婚女性の貞操を守らせるべく、女性に対してにわかに信じがたい行為が行われていたのだという。
「年頃になって色気づいてくると、誰しも色恋沙汰にはしるだろ。そういうのをね、戒めるためにだと思うけど、あの辺りじゃね、女の子に初めてのモノが来ると、その日を境に、縄であそこを縛るわけ。後ろを結び目にするからね、自分じゃとれない。しかも、だ。その頃になると、村はずれにね、小屋のようなものがあって。そこで一緒に暮らすの。お互いを見張らせて。だから色恋どころじゃないっていうわけ。もちろん、学校なんかにも行かさないし、会えるのは十日に一度やってくるそれぞれの母親だけ。それを大人になって嫁に行くまで続けるのよ」
金木さんの話によると、彼が7歳だった当時、その集落には上は13~15歳、下は6~7歳ほどの都合6人の少女たちがいた。彼女たちは性器を荒縄で締め付けられるという、なんとも屈辱的な辛苦を負わされた挙げ句、その大半は外に出ることもなく、なぜか学校に通うことすらなかったという。今よりも多少は大らかな時代であったとはいえ、学校に行くこともなく、彼女たちは村の大人たちに言われるがままに、村外れの「小屋のような場所」(金木さん)に集められ、共同生活……いや、監禁生活を送っていたというから、実に驚くばかりだ。しかも後年、金木さんが人づてに知ったところによれば、監禁下の彼女たちには、さらにおぞましい行為が強要されていたという。
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