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テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」特別編

テレビウォッチャー・てれびのスキマが選ぶ、2016年のテレビ事件簿【バラエティ編】

 また、昨年ブレークした永野が引き続き人気を集め、さらに今年、ハリウッドザコシショウがブレークを果たしたのも印象的。ザコシショウの芸を『スッキリ!!』(日本テレビ系)で見た本上まなみがあまりに理解不能と拒否反応で涙を流してしまった(それも2度も)というのは今年屈指の名シーンのひとつだが、一方で『水曜日のダウンタウン』(TBS系)の「替え歌最強トーナメント」で中学生が審査する中、ザコシショウが「タイガーステップ」など絶対に元ネタが中学生にはわからないだろうというネタで決勝まで勝ち上がるという驚きの展開。「元ネタがわからない=面白くない」という先入観をぶち壊した。

 こうしたポジティブ芸人やカルト芸人が、若い層にまで幅広く受け入れられたのが今年の特徴だった。思えば、今年の顔のひとりであるメイプル超合金のカズレーザーは、その両方の要素を持った芸人だ。窮屈な時代に多様性を肯定する様々な名言を連発。共演者が彼の言葉を待つ感じは、2007年頃の再ブレーク前夜の有吉弘行のような勢いを感じさせる。2007年、その原動力は「毒」だったが、それが「肯定感」に変わったのが今の時代を象徴しているのかもしれない。

■“日7戦争”勃発

 今年の大きなトピックスとして、古舘伊知郎のバラエティ番組“復帰”も挙げられる。12年間務め上げた『報道ステーション』(テレビ朝日系)を辞めると、わずか数カ月の休養を経て、『ぴったんこカン★カン』(TBS系)や『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)などに出演。硬直気味のバラエティに“異種格闘技”的な新風を吹かせた。

 そして11月からは新番組『フルタチさん』(同)を開始。この枠は、冬クールから“日7戦争”と呼ばれるようになった大激戦枠。王者『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)に対し、テレビ朝日は『日曜もアメトーーク!』、TBSは『クイズ☆タレント名鑑』を復活させた『クイズ☆スター名鑑』、テレビ東京はアシスタントを福田典子アナウンサーに交代した『モヤモヤさまぁ~ず2』と、各局が看板番組をぶつける形となった。加えて、Eテレでは、『24時間テレビ』(日本テレビ系)の真裏で“感動ポルノ”批判をし、大きな話題となった『バリバラ』も放送されている。

 こうした視聴率競争で求められるのは、勝つための足の引っ張り合いではない。テレビの活気を伝えることで、それまでテレビから離れていた層をテレビに戻し、日曜夜7時、ひいてはテレビ界全体の視聴率を底上げすることだ。

■総括

 今年は、ネガティブな話題も多かったが、オリエンタルラジオによる音楽ユニットRADIO FISHの「PERFECT HUMAN」や、古坂大魔王が“プロデュース”したピコ太郎による「PPAP」、トレンディエンジェル斎藤の「斎藤さんだぞ」、平野ノラによる「しもしも~」などなど、お笑い界からたくさんの流行が生まれた年だった。

 それは、窮屈で不寛容になってしまった社会に対する反動ではないだろうか? テレビとは本来、バラエティ、つまり「なんでもあり」の多様性を表現するものだったはずだ。今またそれが、求められてきているのではないだろうか?
(文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/

「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

最終更新:2019/11/28 19:46
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