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【おたぽる】

霧亥の設定話も飛び出した! 霧亥もサナカンもタエも駆除系も心躍る『BLAME!』初日舞台挨拶レポート

■興味深い設定も聞けた、プレスコ絡みのクロストーク

 プレスコについて聞かれた櫻井孝宏は、台詞以外のト書きを参考に「アクションを伴うようなシーンでは……例えば、走っているんだったらどれくらいのペースでどういう気持ちで、止まって振り返るんだったら何歩で止まって振り返るのか、その場でディスカッションしながら作っていった」そう。今作は「完全プレスコ」で収録されており、まったく絵がなく、中には台詞もなくト書きのみのページもあるのだとか。

 サナカンの難しさを問われた早見さんは、「役柄で言うと台詞的に難しいのが多いのも一つ。プレスコだと会話のテンポや雰囲気がスゴく大切になってくるので、その場の空気感、その場でしか生まれないものが出てくるんですけど、サナカンはみんなとテンポ良くかけあうキャラクターじゃないので、サナカン一人分の空間を確立することに意識を向けていました」と返答。アドリブについても、サナカンだけは追加で入れたそうだ。

 タエについて聞かれた洲崎さんは、「画がない分、距離感とかを掴むために通常よりさらに耳を大きくして、他の役者さんの声を聞いている感じがするので、注意深く……特に絡みが多かった天ちゃん(雨宮天)とかの声はしっかり聞いてたかなって感じです」と朗らかに答えた。

 MCから霧亥について聞かれた早見さんが「霧亥だけじゃなくて、無口な人って一見無口に見えるけど、モノローグでいっぱい考えてるのかなって思う」と答えると、瀬下監督から「明確じゃないけど、霧亥は数百年ぶりくらいで喋っている。『この単語で良かったっけ?』くらいの気持ちで。実際そうやって演技してもらってます」といううれしい設定話も聞くことができた。

DSC_5592-1.jpgDSC_5596-1.jpg瀬下寛之監督、吉平”Tady”直弘副監督

■カサカサカサカサカサカサ

「おまえたちネット端末遺伝子を持たない人間を、排除する」
フォトセッションが始まるやいなや、突如サナカンの口から上記の言葉が。そう、いよいよ「奴ら」が基底現実に現れる。奴ら……能面フェイスでお馴染みの虫、もとい駆除系がやってきたのだ! 来たのだが、櫻井さんの「動きはいいけどビジュアルがゆるい!」という言葉が表すとおり、ちょっと微笑ましい絵面になっていて、館内が優しい笑いに包まれた。

 撮影が終わると、「排除完了、帰ってよし!」とサナカンの口から撤退命令が下され能面もカサカサと退場。その時「(命令されて)ちょっとみんなうれしいでしょ?」と言われた駆除系の一人がなんとなくうれしそうで特に印象に残っている。筆者も命令されたい。

■『BLAME!』をこれから観るファンへのメッセージ!

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櫻井孝宏:ハードSFって、ちょっと縁遠い、難しいイメージを持たれるかも知れないんですが、そこにこそ、この作品の面白さがあると思うんです。人間ドラマも描かれてるし、メタリックな、クールな冷たい世界で生きている人々のドラマでもあるので、その息吹や温もり、体温などがちゃんと伝わってくる。ディティールの面白さもそうなんですが、CGアニメーション映画の面白さがぎゅうぎゅうに詰まった作品だと思いますので、素晴らしい映像体験を楽しみにしてください。

早見沙織:サナカンという役柄に初めて臨ませていただいた時に、とっても無機質なのかなって、『BLAME!』の世界観としても無機質なイメージかなあと思っていたんですが、演じれば演じるほどスゴく生命を感じるというか、有機的なものを感じる瞬間があったりして、表と裏みたいな形で近いモノがあるんだな、と感じました。映像のことも声も、「こんなところにも!?」って部分にまでみんなが愛情を込めて、0.0001秒コマまで繊細に作り込んでいますので、是非、映像が始まった瞬間から楽しんでいただければうれしいです。

洲崎綾:スゴくたくさんのト書きが書いてあって台詞があって、アフレコの台本にまで詳しく状況をしっかりしっかり書いてくださって、音を録るためにそれだけのことがされているということは、映像を作るにはもっともっと膨大な量の状況に対する解釈があったり、意識の共有があったりされて今日があるんだろうなあと感じながら、ここに向かってきました。駆除系のみなさんも出て、楽しい舞台挨拶をみなさんと過ごせてうれしかったです。特典のフィギュアを気に入った方は劇場に足を運んでコンプリートしていただきたいし、私も通いたいと思います!

吉平”Tady”直弘副監督:これからご覧いただく『BLAME!』という映画は、『マッド・マックス』のような派手で爽快なアクション映画でもあるし、普遍性なテーマを持った人間ドラマでもあります。今回初めて『BLAME!』という作品に触れていただく方も、ずっと前から『BLAME!』が好きで来ていただくお客様も、どちらも楽しんでいただけるように一生懸命、情熱を込めて作ったつもりです。是非劇場の音響で、大きなスクリーンで、楽しんでいただければと思います。

瀬下寛之監督:伝えるべき素晴らしいコメントは他のみなさんにすべて言っていただいたので、ボクはお礼だけを伝えたいと思います。あ、素晴らしい音響を作ってくださっている音響監督の岩浪さんが幕張新都心(イオンシネマ)さんに一人で張り付いてまして……「劇場に来てくださるお客様にお礼を言いたい」と。岩波さんはご多忙な方なんですけど、夜、劇場に出かけて「少しでも良い音で聞いてほしい」ということで、ご自分ですべて調整をしております。ポリゴン・ピクチュアズのスタジオの前のめりなアーティストだけじゃなく、関わっているスタッフのみなさん全員が、本当に前のめりに、大事に作ってくださっている作品ですので、みなさん、是非この作品を劇場で、できれば何度か繰り返して観ていただければと思っております。今日は本当にありがとうございました!

◆◇◆◇
 披露舞台挨拶の記事でも書いたが、原作と少しだけ設定の変わっている、劇場アニメ『BLAME!』。とは言え変わっている部分はストーリー上のものであり、映画を映画として楽しむための要素となっている。原作ファンの方はその違いを味わいながら楽しむもよし、原作未読の方は圧倒的な進化を遂げた3Dアニメーションや音響を楽しむもよしだ。是非、劇場のスクリーンと音で『BLAME!』の世界を全身で感じてほしいし、筆者はサナカンに命令されてうれしそうな駆除系になりたいだけの人生だった。
(取材・文/平工泰久)

■『BLAME!』
配給:クロックワークス
公開:5月20日(土)より全国公開(2週間限定)
公式サイト :http://www.blame.jp/
上映時間 :105分
(C)弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

最終更新:2017/05/23 07:15
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