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『ある日うっかりPTA』発売記念インタビュー

好奇心で“うっかり”PTA会長に!? 金髪&ヒゲ面のフリーライター・杉江松恋が語る「PTAとの上手な付き合い方」

――ボランティアなのに、ほぼ毎日のように拘束されるんですね……。会長に就任すると、杉江さんは「がんばらない、をがんばろう」をスローガンに、校庭開放の管理をシルバー人材センターへと委託したり、毎回100万円あまりの予算が使われていた小学校の「周年パーティ」(10周年、20周年などの際に行われる記念行事)の予算を削減するなど、さまざまな変化をもたらしました。

杉江 本としてまとめて書くとややドラマチックに見えますが、これらの改革は、毎月毎月ずっと会議で根気強く言い続けてようやく実現したもの。「校庭開放をPTAがやるのは負担ですよね?」「周年行事にお金をかけすぎでは?」と会議の中で疑問を提出し、根回しを続けることで、ようやく「変えてもいいかも……」という空気が出来上がったんです。ほかにもさまざまな改革をしたかったんですが、任期中の3年で変えるのはなかなか難しかった。

――なぜ、そんなに変えることが難しいんですか?

杉江 全員が意思決定に直接関わらなければならないPTAでは、何を変えるにしても総会で決議しなければなりません。しかし、その総会は1年に1回、それも年度が変わったばかりの5月に開催されます。最初の年は、総会の時には右も左もわからなかったため、何も変えることができませんでした。

――団体行動が嫌いという杉江さんとしては、そんな、PTAの時間感覚にはヤキモキさせられませんでしたか?

杉江 もともとサラリーマンを経験していたので、その時に培った「根回し」の感覚が生きました。そもそもPTAは、保護者という共通点しかない組織。収入も違うし、家庭環境も違う、仕事に対する考え方も違います。みんな考え方が違っていて当然なんです。独断で急激に変化をもたらすわけにはいきません。何かを変えるためには、反対意見の人も納得できる言い方や理由を見つけないといけない。だから、「こんなことを考えています」というのを、地道かつ小刻みに提案していかなければならないんです。

――一方、本にも書かれている通り、人間関係の生々しいゴタゴタもありました……。

杉江 いまだにその当時を思い出すと、トラウマが蘇ってきます(笑)。何が原因か、はっきりとは言えないような些細な行き違いから、お互いが感情的になってしまい、誹謗中傷合戦へと発展してしまった。その当時は、誹謗中傷のメールが止まりませんでした……。僕はどうすることもできずに、2カ月半にわたって、ただ鎮火を待つしかなかった。あのときは針のむしろでしたね。

――面倒くさすぎる……。しかし、リーダーとしての技量が問われる場面ですね。

杉江 その間は、絶対に言質を取られないように最善を尽くしていました(笑)。両者を比較するような言い方は絶対にせず、何かを言うときは全員に対して発言する。そのほかにも、悪口を言おうとしている人の話は聞かない、相槌も打たないといった振る舞いを身につける。それによって、ようやく試練を乗り越えられたんです。

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