日刊サイゾー トップ > その他 > ウーマン・ウェジー  > 浜崎あゆみ、『しゃべくり007』での“ぶりっ子”リアクションに感じた「メンタルの老い」
【サイゾーウーマン】

浜崎あゆみ、『しゃべくり007』での“ぶりっ子”リアクションに感じた「メンタルの老い」

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「森三中の黒沢が来るんだろうな」
くりぃむしちゅー・有田哲平
『しゃべくり007』(日本テレビ系、6月19日)

 日本テレビの出演は7年ぶり、バラエティ番組にもほとんど出ない浜崎あゆみが、6月19日放送の『しゃべくり007』(日本テレビ系)に出演した。久しぶりに動く浜崎を見たわけだが、いろいろな意味で「あの頃とは違うんだな」という思いを強くした。

 くりぃむしちゅーやネプチューン、チュートリアルなどの出演者たちは「(出演が)信じられない」と浜崎を持ち上げる。しかし、よく聞いてみると、くりぃむしちゅー・有田哲平は「(浜崎ではなくて)森三中の黒沢とか来るんだろうな(と思っていた)」と軽くバカにしていたのだ。ここでなぜ森三中・黒沢かずこの話が出るかというと、インスタグラムでは細身の体を披露している浜崎だが、実際のライブツアーで撮影された写真だと太っており、その姿が黒沢に似ているとネットで騒がれたことがあるからだ。全盛期であれば、ネットの悪意的なウワサとからめた返しをされることは、まずなかっただろう。

 体形の変化も気になった。インスタでは細身のスタイルなのに、テレビでは、二の腕とエラがかつてないほどたくましくなっていた。20代のままでいるのが正解とはいわないが、ファンにとって、あの変わりようはショックなのではないか。

 さらに、若い時には感じなかったメンタルの変化も感じさせられた。番組を通して見ていると、別に驚くようなシーンは何もなかったのに、浜崎が終始“目を見開いたきょとん顔”をしているのがわかる。たどたどしくしゃべり、「趣味は犬と話すこと」と不思議ちゃん系のコメントもしていた。まるで、デビューしたてのグラビアアイドルのようなぶりっ子ぶりである。

 全盛期の浜崎は、こうではなかった。金髪、大きなサングラス、ヒョウ柄、手の混んだネイルなど、ギャルファッションが注目を集めていたものの、『浜崎あゆみはバカじゃない』(ニッポン放送)というラジオ番組で、両親の離婚や、ブレークした後も消えることのない孤独感を隠さず語るなど、ステレオタイプのギャルとは違うことをアピールしていた。とりわけ有名だったのは、同番組での「Ayuは浜崎あゆみの裏方さん」 という発言である。「“浜崎あゆみ”というアーティストのパフォーマンスを向上させるために、Ayuは日々努力をしている」という意味で、この“客観性”を、多くの人が「頭がいい」と評価した。 事実、浜崎は、職人気質でツアーの際は全てのチェックを自身で行い、バックダンサー一人ひとりに挨拶するともいわれていたのだ。それに、歌番組では口数少なく、しゃべるとしても低い声でだるそうに話していたように思う。

 外見とファッションセンスの良さ、努力家、トラウマ、礼儀正しさ、「私らしく」というフレーズが代表する自意識の強さ……かつての浜崎は、同性ウケする性質を多く備えていて、ぶりっ子の要素はまったくなかったのだ。

 ぶりっ子とは、異性に自分の可愛さをアピールするための行為といえるが、全盛期の浜崎は、可愛いといわれることに、さして価値を置いていなかったのではないだろうか。なぜなら、浜崎が可愛いことは、当たり前のことだったからだ。

 しかし、日本は女性の年齢に厳しい国なので、20代でなくなると、それだけで男性ファンが減ることも、浜崎のように体形が変わると、攻撃の対象になることもある。「若い」といわれて喜ぶのは、若さを失いつつある人、もしくは若くない人であるように、「可愛い」と言われたがるのは、「可愛い」と言われなくなりつつある人である。浜崎の突然のぶりっ子路線は、失われつつある「可愛い」を求めているということではないだろうか。つまり、「可愛い」と言われたいと思うのは、一種の“老い”なのである。

 現在、浜崎はツアー中だといい、インスタグラムで、ライブの最中に靴紐がほどけてしまった時に、ダンサーのジンが近づいてきて結んでくれたことを受け、「ああ、生まれ変わったら絶対にこの人の娘になりたいと思いました」と綴っていた。目の前のやるべきことを放置して、来世や死後のことを語るのも、一種の老化現象である。浜崎よ、とりあえず痩せてくれ。全てはそれからだ。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、最新刊は『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
ブログ「もさ子の女たるもの」

最終更新:2017/06/23 07:00
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

水原解雇に間に合わなかった週刊誌スクープ

今週の注目記事・1「水原一平“賭博解雇”『疑...…
写真
イチオシ記事

さや香、今年の『M-1』への出場を示唆

 21日、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で「賞レース2本目やっちまった芸人」の完結編が放送された。この企画は、『M-1グランプリ』(同)、『キ...…
写真