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お酒とホテル=合意の成立!? 「法的にセクハラにならない口説き」でも、女性部下は「NO」と言えるか

 7月10日発売の『PRESIDENT(プレジデント)2017年7.31号』(プレジデント社)にて掲載された記事「セクハラにならない誘い方、口説き方」について、あたかもセクハラ推奨ではないか、として批判が上がっている。ちなみに『PRESIDENT』は、男性読者を想定したビジネス雑誌である。

 問題の記事「女性と仲良くなる/セクハラにならない誘い方、口説き方」は、同誌メイン特集内の企画「自分がどんどん有利になる(場面別)人付き合いの高等テクニック7」にて、女性の部下と個人的に仲良くなるためのテクニックとして紹介されている。弁護士の野澤隆氏の話をもとに編集部が作成したものなのだが、確かに男性が「セクハラ認定されないため」の処世術ともいえるアドバイスが満載である。無自覚にセクハラをしてしまわないためのアドバイスでもなければ、女性部下に嫌な思いをさせないためのアドバイスでももちろんなく、セクハラ認定から逃れるため(言い訳が成立するよう)に押さえておきたいポイントをまとめているものだと読める。

 あくまでも男性上司本人としてはセクハラをしていない(=悪気はない)、のが前提で、ただし誘い方・口説き方次第ではセクハラと受け取られることもあるため、気をつけておく必要がある、ということだ。だからこそ、図解につけられたキャプションには「セクハラ扱いされないための理想の“合法”デートコース」とある。“合法”という表現が筆者には引っかかった。

 この記事には、自分(男性読者)が上司で、相手の女性が部下である以上、どれだけ親しくともパワーバランスが対等にはならないことや、相手にしてみれば「断りづらい状況」にあること、場合によっては恐怖さえ感じるかもしれないことについてはほとんど触れられていない。あくまでもセクハラになるかどうかは「相手の感じ方次第の部分が大きい」としている。若い女性を口説きたいが、セクハラ認定は避けたいというビジネスマンが実際にいるとして、この方法をそのまま踏襲すればそれが「セクハラ防止」になるかというと疑問だ。「セクハラ認定」は阻止できるのかもしれないが、相手女性が怖い思いをする可能性は否定できない。

 具体的には、「上司が異性として興味を持っている部下に、いきなり1対1で夜の飲み会に誘うのは、後からセクハラとして認定されやすい」から、「最初は、目当ての女性を含めた男性2体女性2で食事に誘うのがベスト」とし、食事の後、見事1対1になれたとして、気をつけなくてはいけないのは、「終電がなくなりかけた時間に、次の店に誘うこと」だそうだ。その理由は、もし失敗して(つまり女性にフラれ)深夜解散となった際に「会社からタクシー代や宿泊費が出ないと、結果的に部下に不合理な経済的負担を強いたことになる」から。この、「強いてしまう」ではなく「強いたことになる」と表現しているあたりが、いかにも男性上司目線である。そもそも「仕事にかこつけて誘わないのが大事」としておきながら「会社から経費が出ないと~」というのもおかしな話だ。部下に対してなら上司としてタクシー代を負担すればよいのでは? 『PRESIDENT』読者、金があるのかないのかわからない。

 また、「セクハラにならないためには、常に女性に逃げ道を作ってあげて、危険ではないことを認識できる状況にしておく必要がある。つまり密室ではなく一般のレストランのようなオープンな場で話を進めるべき」であり、だから「2軒目以降に有用なのは、24時間営業の飲食店だといえよう」。なぜなら「解散となっても始発の電車を待てるし、追加注文が長時間なくても店員に嫌がられることが少ない」からとしているが、やっぱり『PRESIDENT』読者、金があるのかないのかわからない。

 さらに、「事前にホテルを確保しておくのであれば、シングルとセミダブルの2部屋を予約する」。「『別々の部屋に泊まろうと思っていた』と言い訳ができるし、口説くことに成功した場合はセミダブルの部屋を利用できる」とのアドバイスもある。なるほど、ここで無駄に金を使う必要があるため、ホテルに行くかどうか定まらない2軒目は出費を抑えるべくファミレス利用を勧めているのだろうか。

 不思議なのだが、「女性と仲良くなる」ためのアドバイスがすなわち、「セクハラ認定されずに性的関係に持ち込む」こととイコールになっていることだ。目下の女性に対して「性行為をしたい」との感情を抱いたとき、強引にコトを進めれば犯罪になるし社内外での立場を失いかねない。そんなの当たり前だ。「仲良くなりたい」ならば性行為の前段階でいかに相手との距離感を縮めるかが重要だと思うのだが、この記事にそうしたアドバイスは皆無だ。あくまでも「セクハラ認定されないこと」に主眼が置かれている。

 最もまずいのは、最後の段落だ。事前に二部屋を予約しておいたホテルに二人でチェックインすることになった場合、「チェックインする前に、一緒に近隣のコンビニでお酒を買う」ことが勧められている。それは「一般的に、2人でホテルの同じ部屋に入り、そこで一緒に買ったお酒を持ち込むという行為は、『合意の成立』を確認する重要な判断要素となる」からであり、「後になって女性が態度を豹変し、密室で同意なくセクハラを受けたと主張した際に、コンビニの防犯カメラの映像や、手元に残ったレシートは、『合意の成立』を立証する客観的根拠となる」ためだ。

 これはおかしい。2人でホテルの同じ部屋に入ろうが、一緒に買ったお酒を持ち込もうが、だから相手が「セックスしてもいい」と言ったことにはならないので、セックスの合意が成立したことにはならないのではないか。しかしこれまで、いざ被害女性が強姦や準強姦を訴えても「合意があった」ことにされてきた判例があることも事実で、法的には「一緒にお酒を買い、ホテルの同じ部屋に入る」ことが合意の成立だとみなされてしまうのだろう。ここでまた、最初の問いに戻る。

 男性上司が「仕事にかこつけず」、女性部下を食事に誘い、複数人で食事をしてから2軒目で二人きりになる。上司は「あわよくば」の意思を部下に伝えている。上司はホテルの部屋を予約しているという。そのとき、部下はハッキリ「NO」と言うことが出来るのだろうか。密室ではなく一般のレストランのようなオープンな場所だからといって、女性部下に「逃げ道」はあるのだろうか。上司と部下というパワーバランスがある時点で、相手にとってはすでに「断りづらい状況」が出来上がっている。「断れない」ことと「合意」は異なる。たとえこれが法律的に「セクハラにならない」としても、勧めていいものなのだろうか?

最終更新:2017/07/19 07:15
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