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週刊誌スクープ大賞

「このハゲ!」と叫びながら近所の子どもが……豊田真由子議員の夫が明かした“苦悩”とは

 国家戦略特区を担当する山本幸三が、昨年11月17日に東京青山にある日本獣医師会本部を訪ね、藏内勇夫会長ら4人に対して、「獣医学部を新設する。加計学園に決まった」と通告していたと文春が報じた。大スクープである。

 これが文句なしの今週の第1位。

 私が読んでいる朝日新聞と東京新聞もこの話が一面トップ。しかし、どちらも「獣医学部の新設方針を伝えたと記録する文書が同会にあることが分かった」(朝日)「本紙が十九日に入手した同会作成の面会記録で分かった」(東京)と、文春がすっぱ抜いたとは書いていない。

 いつもいうが、時系列的に見ても文春の校了は18日、火曜日の夕方である。文春の新聞広告や中吊りを手に入れ、新聞各社が動いたことは間違いないはずだ。少なくともジャーナリズムは、情報を早く取ったメディアには敬意を払うべきだと思う。

 安倍首相は、各メディアの調査で、支持率が30%を切る危険水域に入ったため、あわてて24、25の2日間、加計学園問題についての閉会中審議を開くことに応じた。

 報道によれば、官邸の強い意向があって行政が歪められたと爆弾証言した前川喜平前文科省事務次官と和泉洋人首相補佐官も呼んだが、予想通り、安倍にとっては厳しいものになった。

 安倍は一貫して「加計学園に決めた過程に一点も疚しいところはない」と主張してきた。だが、国家戦略特区の責任者である山本が、こう明言していたことが立証されれば、何がなんでも腹心の友がつくりたいと願っていた獣医学部を、安倍が特区に押し込むために、あらゆる手段を講じていたことが白日の下にさらされるのである。

 しかも、文春によれば、山本が獣医師会を訪れたのは、内閣府が獣医学部新設に関して、広く意見を募るパブリックコメントを始める前日だという。

 なんのことはない、国民から広く意見を求める前に、加計学園と決まっていたのだ。茶番である。

 山本はその日、獣医師会に、今治市が土地で36億円のほか、積立金から50億円、愛媛県が25億円を負担し、残りを加計学園が負担するとまで説明していたというのである。

 その場にいた北村直人日本獣医師政治連盟委員長は、加計学園に決まったといわれ、驚いて、「反対意見を申し上げた記憶はあります」と、文春に答えている。

 加計学園の動きは早かった。すでに2015年から教員募集を始めており、16年11月には今治市の建設予定地でボーリング調査を開始しているのだ。

 獣医学部新設の公募が行われたのは今年1月。加計学園側には、うちで決まりという確実な情報があったのは間違いない。

 しかし、加計学園は、「平成26年度の決算では、(略)翌年度繰越消費支出超過額は142.6億円となっており、依然として累積の支出超過を回復するには至っておりません。(略)今後約20年に渡る借入金返済を鑑みると収支が厳しい状況であることは変わりません」。15年6月に加計理事長が教職員組合に提出した回答書にはこう書かれてあるという。

 黒字になっているのは今度獣医学部を新設する岡山理科大学だけで、15年度の収支では、千葉科学大学は約4億4,000万円、倉敷芸術科学大学は約6億5,000万円の赤字になっている。

 当然だが、教職員の間では、圧倒的に獣医学部新設反対の声が多い。笑えるような話は受け入れる今治市にもある。

「今治市は、学部新設で増える税収は年間約三千万円と試算しています。つまり負担する九十六億円を全て取り返すのに三百二十年もかかる計算です。また市民一世帯あたりで計算すると、負担は十三万五千円になります。獣医師不足に対し、これだけ払うことが妥当なのでしょうか」(「今治加計獣医学部問題を考える会」の黒川敦彦共同代表)

 森友学園と同様、安倍との腐れ縁が明らかになり、イメージもダウンした加計学園も、崩壊していくのではないか。そんな予感がする。

【巻末付録】

 ポストから。巻頭は相も変わらず「西田幸樹 NOWON 謎の異邦人 ジョン」。続いて袋とじ「30歳の記念に自分で撮っていた未発表のヘアヌード 小島可奈子」。プライベートヌードらしいある種の淫靡さが少しだがある。

 後半は「『昭和エロス』にこだわる奇才 ヘンリー塚本の世界」。袋とじは「熟女写真集の老舗『富士出版』の専属写真家が撮影した謎の人妻、29歳」。写真家は赤石恭生という。

 お次は「息をのむほど美しい絵」。絵のほうが生々しい。「あのTENGAが初めて開発した『動くオナホール』」。これって2万円近くするらしい。もう少し安くしてくれないかな。

 現代は、少し遅いがゴルフのアン・シネの「19番ホールを撮り下ろし!」が袋とじ。何度もいうが、彼女はフェアウェイに置いたほうが生き生きしていていい。やはり野に置けアン・シネだ。

 次は「AKB48のレジェンド 板野友美」。「週刊現代を飾った’17年上半期『スクープヌード』祭り」。今週の売りは「この娘たちの局部が裸眼で3D(立体的)に見える! 飛び出す『女性器』」。私はこういうのが苦手だ。誰か、どんなに見えたか教えてくれないか。

 今週は、力の入り方も含めて現代のほうがいい。現代の勝ちじゃ。
(文=元木昌彦)

最終更新:2017/07/24 21:00
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