日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『99.9』視聴率トップとは思えぬ惨状

嵐・松本潤の人気にあぐらをかいた粗悪な法廷コント化『99.9』今期ドラマ視聴率トップとは思えない惨状に……

 その割に、何もかもがお粗末でした。まず、緒方殺害に至った犯人たちの動機が弱すぎる。子会社設立によって損益を被り、退職金が出なくなるのでは? との懸念から犯行に及んだとのことですが、それで殺人まで犯しますかね。しかも、社長室での絞殺。計画殺人にしては、あまりに杜撰すぎますよ。

 一方、桜はなぜ、警察になにも報告しなかったのでしょうか。不倫の関係だったならまだしも独身者同士の恋愛ですから、なにもやましいことはなかったハズ。それなのに、緒方の所有物や留守電メッセージを隠そうとした意味がイマイチわかりませんでした。

 そして、そのメッセージによって真相発覚に至った強引なラスト。なにもかもが低レベルでした。今クール、今のところ最高視聴率ドラマということですが、内容的にはとてもそうは思えません。主演の松本潤の人気によるものでしょう。

 しかし、制作サイドは自分たちの力量に対する評価だと勘違いしているのか、あるいは松本人気にあぐらをかいているのか、くだらないギャグや小ネタをこれでもかとねじ込み、やりたい放題。特に今回は被疑者が佐田ということで、法廷シーンは完全にコント化し、しかも笑えないという見るも無残な状態に陥ってしまっていました。

 それに加えて、カットの切り替えがあまりに高速かつ多すぎる。これに関してはネット上で指摘する声が以前から多かったものの、筆者はそれほど苦には感じていませんでした。けれど今回、深山と佐田の接見シーンでは、これまで以上に演出家の気合が無駄に入ったらしく、アクリル板を挟んでの2人の顔カットが激しくスイッチ。さすがに気分が悪くなってしまいました。

 次回は20分拡大スペシャルとのことですが、無駄なシーンが延長されただけということにならないよう祈りつつ、放送を待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

最終更新:2018/03/05 20:00
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