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池松壮亮の役者バカぶりがさらに激しさを増す!! 美人OLと現実逃避の旅『宮本から君へ』第3話

 季節はずれの海で寒中水泳に励んだその夜、宮本は同期入社の田島(柄本時生)のアパートを訪ねました。会社をサボった宮本のために、田島は2人分のナポリタンを作ってやります。「人間ひとり、大した意味もっとらんて。つまらん意地を張っとったら後悔するぜ」と助言する田島に向かって、宮本は「でも人間に意味なし、なんて思ってないだろう?」と聞き返すのでした。「それ、本気で聞いとる?」と答えるときの田島、いや柄本時生の人生を半分達観したような表情がすごくいいんですよ。

 週明けの月曜、出社した宮本は無断欠席したことで岡崎部長(古舘寛治)から小言を言われますが、小田課長(星田英利)や田島がフォローしてくれたお陰で思いのほかあっさりと解放されました。こんなことで激怒していては、新入社員がいなくなってしまうからでしょうか。宮本が勤める文具メーカーは、良くも悪くも緊張感というものがありません。でも、美沙子と一緒にズル休みしたことで、2人の心の距離は確実に縮まりました。終業後も美沙子と待ち合わせて、アフターファイブを楽しむようになります。あの日以来、美沙子は髪型を変え、香水も変えました。「(彼と別れて)ひと月も経っていないのに、薄情でしょう?」と笑いながら宮本と夜の街をデートする美沙子。気が付けば、東京はもう初冬。夜風に震える美沙子のために、宮本は彼女からプレゼントされたマフラーを手渡します。宮本の体温をマフラーごしに感じる美沙子でした。

 美沙子が「東京でいちばん好きな場所」という神宮外苑のベンチに腰掛ける2人。短い沈黙の後、宮本は「甲田さん、本気で好きになるよ」と低い声で囁き、美沙子と唇を重ねます。友達の関係から初キスまでずいぶん回り道しましたが、会社を1日ズル休みした収穫がようやく実ったのです。

 宮本の憧れのヒロイン・甲田美沙子を演じる華村あすかは、本作がデビュー作となる山形出身19歳の新人女優です。まだお芝居はうまくありませんが、たどたどしい感じが逆に「守ってあげたい!」という男心をくすぐるタイプのようです。所属事務所はかつて石田ゆり子・ひかり姉妹らが活躍したボックスコーポレーション。先輩女優たちと同様に小悪魔的な魅力をこれから発揮していくことでしょう。それにしても、美沙子に振り回される宮本に徹底的になりきる池松壮亮の熱いこと熱いこと。番組エンディングに流れたメイキング映像を見ると、本当に波に呑まれて海難事故になるギリギリまで芝居を続けています。ハードな撮影続きで「何回か記憶が飛んだ」そうです。原作で描かれた宮本の熱さに真っ正面からぶつかっていく池松の役者バカぶりは、一体どこまでエスカレートしていくのか。宮本&池松のクレージーさにますます拍車が掛かる第4話も楽しみです。
(文=長野辰次)

最終更新:2018/04/27 23:00
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