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週刊誌スクープ大賞

日大アメフト部問題でも独走した「週刊文春」のスクープ力! 内田前監督の“自供テープ”も……

 日大というと、われわれの世代ですぐ思い出すのは、1960年代の「日大闘争」である。

 東大闘争のほうが世に知られているかもしれないが、日大闘争こそが、全共闘闘争の原点であり、最大の学生運動であった。

「本当の意味で全共闘を作ったのは日大です。これは文句なしに本当に。単に日大全共闘というのは武装した右翼とのゲバルトに強かっただけじゃないです。
 本当に、あのね、学生大衆の正義感と潜在能力を最大限発揮した、最大限組織した、ボク、あれは戦後最大の学生運動だと思います。今でも、あれ、考えるとナミダ出てきます」

 2015年1月30日に開かれた「日大930の会公開座談会」で、東大紛争のリーダーだった山本義隆・元東大闘争全学共闘会議代表は「日大闘争」をこう評価した。

 日大を私物化し、権勢をふるっていた古田重二良理事長に対して、22億円の使途不明金問題をきっかけに学生が決起し、1968年9月30日に開かれた日大両国講堂での全学集会で、古田を辞任に追い込んだのである。

 古田は柔道部出身で、現在の田中英寿理事長は相撲部出身。ともにカネと強面を表面に出して学内を牛耳ってきた。その田中の後継者といわれているのが、今回、不祥事を起こした日大アメフト部の内田正人前監督である。

 5月6日、日大対関西学院大の定期戦で、味方にパスを出した関学大のQB(クオーターバック)に、日大のDL(ディフェンスライン)が背後から激しいタックルをかけ、QBは全治3週間の大ケガを負った。

 この危険なプレーを指示したのが内田監督ではないかといわれたが、否定したまま雲隠れし、試合から2週間後、ようやく関学大を訪れ謝罪した。

 だが、タックルを指示したのかについては何もいわず、かえって関学大側の怒りを買ってしまったのである。

 すると当のDL選手自身が会見を開き、コーチから「相手のQBを1プレー目で潰せば(試合に=筆者注)出してやる」「相手のQBがケガして秋の試合に出られなかったらこっちの得だろう」といわれ、本当にやらなくてはいけないのだと追い詰められ、あのプレーをしたと告白した。

 私も仲間と居酒屋で飲みながらテレビを見ていたが、スポーツマンらしい潔さで、淀むことなく受け答えしている姿に、彼は真実を語っている、そう思った。

 あわてた内田側は、翌日、急遽会見を開いた。だが、内田監督は「信じていただけないと思うが、私からの指示ではない」と再度否定した。

 井上奨コーチも「監督から僕に『QBにけがさせてこい』という指示はなかった。私はDL選手に対して『QBを潰してこい』と言ったのは、真実です」と、監督を庇う発言に終始した。

 この会見が単なる弁明のための会見だったことが明らかだったのは、これをセットした日大広報のバカな対応だった。記者が質問しているのに遮り、「これ以上続けても時間の無駄」だといい放ったのである。

 そこで今週の第1位。文春は、試合後にマスコミの囲み取材で内田が語った本音を掲載しているのである。文春独自の取材ではない。

 その時、どこかの社の人間が録音していたのを借りたか買ったかしたのであろう。

 だが、さすが文春、目の付け所がいい。そこでは「内田が(反則を=筆者注)やれって言ったって(記事に書いても)、ホントいいですよ、全然」と「全面自供」(文春)している。

 また、DL選手の反則プレーを「こんなこと言っちゃ悪いんだけど、よくやったと思いますよ。もっといじめますけどね。だけど、そうじゃなかったら、関学みたいなチームに勝てないでしょ。(中略)だから、そろそろ良くなるんじゃないですかね。法律的には良くないかもしれないけど、そうでしょ」

 また「あれぐらいラフプレーにならないでしょ」とまでいっているのである。内田は会見で、DLが反則したプレーの瞬間は「見ていなかった」と答えている。こんな嘘が通ると思っているのだろうか。

 会見が終わると、内田は体調が悪いと病院へ逃げ込んでしまった。なぜ、パワハラの権化といわれた日本レスリング協会の栄和人強化本部長も、今回の内田も、事が起きると自らは表に出ないで、こそこそと逃げ隠れしてしまうのであろう。

 こんな連中にスポーツマンシップを語る資格など全くない。

 文春はさらに、日大が全額出資している「株式会社日本大学事業部」という会社についても追及している。

 主力業務は大学や病院などの施設の清掃、学内における自動販売機の設置などで、取締役に内田の名前もあるという。

 ここは別名「日大相撲部」といわれていて、田中理事長率いる相撲部の関係者が複数採用されている。利益の大半は日大への寄付として処理されていて、「現体制の集金マシン」(文春)になっているそうである。

 文春はうまい手を使ってスクープにこしらえあげたが、会見で、記者たちから、内田監督はあの時こういっていたではないかという質問がなぜ出なかったのであろう。

 自分たちはしがらみがあって内田に突っ込めないから、文春さん、代わりにやってよということだったのではないか。府抜けは日大の上層部だけではない。

 学生数7万人、国から92億6,000万円もの補助金を受けているマンモス大学が、この惨状である。日大の学生諸君、いまこそ第二の日大闘争を起こし、理事長たちには退陣してもらおうではないか。

【巻末付録】

 今週はポストが頑張っている。まずは「村西とおると『ダイヤモンド映像』のナイスな時代」。AVの帝王といわれた村西が発掘した女優たち。黒木香、桜樹ルイ、田中露央沙など、やはりいいね。

 袋とじは「職業・AV監督 鈴木リズ 初ヘア・ヌード『主演女優はワ・タ・シ』」。なかなかエロいヌードである。

「半分、エロい。」。田中真理、佳那晃子、濱田のり子など。濱田がいいね。

 もう一つの袋とじは伝説の林檎ヌードの「麻田奈美から届いた手紙」。今は結婚して介護の日々だという麻田から、編集部に届いた手紙を掲載。

 このヌードは、母親が勧めて撮らせたそうだ。この頃の自分のヌードを見て、「溌剌として初々しくて、自分でいうのもなんなんですが、かわいい娘ですね。あの頃の麻田奈美は私ではなく、別人だと思ってしまいます」。

 こういう写真を残しておいたあなたは幸せ者だ。

 ポストに比べた気合の入らない現代。「丸山桂里奈 また見せちゃいました」。「牧野紗弓 セクシー×デラックス」。袋とじは「トップアイドルのHカップ裸身を見よ 渡辺万美 圧巻のヘアヌード」。細身に似合わないすごいバスト。バストへチにはたまらないだろう。

 というわけで、今週はポストの大勝。
(文=元木昌彦)

最終更新:2018/05/30 11:29
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