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壮大な会社コントとして終わった第2シリーズ!! ブラック企業と紙一重な『下町ロケット』最終話

TBS系『下町ロケット』番組公式サイトより

 直木賞作家・池井戸潤のベストセラー小説を原作にした、阿部寛主演の熱血理系ドラマ『下町ロケット』(TBS系)。ロケット開発を夢見てきた中小企業の社長の決断が、日本の農業を、そして技術立国・日本の未来を明るいものへと変えていきます。さまざまな悪役が登場した第2シリーズは、どのような結末を迎えたのでしょうか。『下町ロケット ヤタガラス』最終話を振り返りたいと思います。

(前回までのレビューはこちらから)

 佃社長(阿部寛)率いる「佃製作所」が開発した小型エンジンとトランスミッションを搭載した改良型農業ロボット「アルファ1」。敵対する重田社長(古舘伊知郎)が主導して完成させた「ダーウィン」とリターンマッチする機会が訪れました。農業ロボットの評判を耳にした首相の前で、再びデモンストレーション対決することになったのです。

 メインキャストに落語家の立川談春、バラエティータレントのイモトアヤコといった意外性のあるキャストを起用したことで話題となった『下町ロケット』ですが、最終話も「そう来たか!」と思わせるキャスティングでした。首相役は誰かと思いきや、SFドラマの金字塔である『ウルトラセブン』(TBS系)の主人公モロボシ・ダンを演じた森次晃嗣ではありませんか。地球を侵略宇宙人や凶暴な怪獣たちから守ってくれたスーパーヒーローが、日本国総理大臣に就任していたとは驚きです。恋仲だったアンヌ隊員(ひし美ゆり子)と無事に結ばれ、日本国籍を手に入れたのでしょう。

 多忙な首相は、「ダーウィン」のデモだけ見たら、さっさと帰るそうです。このことを知った「帝国重工」の重役・的場(神田正輝)は首相の前へ走り寄り「ぜひ、我が社のデモもご覧ください」と直訴します。的場をチラ見した首相は「的場さん? あんまり中小企業をいじめないでくださいよ」とチクリ。首相の皮肉の効いた返しに観客はドッと沸きます。かつてのスーパーヒーローも、長い政界暮らしの中で変身せずとも相手の弱点を突く巧みな攻撃方法を身に付けたようです。

 先行した「ダーウィン」のデモを見届けた首相が退席するのに合わせて、会場に集まっていた観客のほとんども帰ってしまいました。がらんとした会場で改良型「アルファ1」は粛々とデモを行います。前回よりも格段に性能アップしてデモを無事に終えた「アルファ1」ですが、「佃製作所」に再就職した天才エンジニア・島津(イモトアヤコ)だけは浮かない顔をしたままです。親知らずが痛いわけではなさそうです。

 

■最終回を締めたのは、やっぱりアイツだった!

 新潟県燕市にある殿村(立川談春)の実家の田んぼを借りて、実地テストを重ねた「アルファ1」の発売日がようやく決まります。ところが、ここでまた難問発生。3カ月発売日を早めた「ダーウィン」に合わせて、「アルファ1」も発売を早めたい、さらに的場が極秘に自社開発を進めていたものと性能テストを競ってほしいと「帝国重工」側から突き付けられたのです。そんなとき、島津が感じていた不安が現実のものとなりました。荒れた土地を耕す農業ロボットは予想以上に消耗が激しく、トランスミッションの耐久性をアップしなければ市販できないことが分かったのです。

 次々と襲い掛かるトラブルに対し、佃社長は動じることなくドンと構えてみせるのでした。それらのトラブルをクリアできないようでは、農業ロボットが農家の人たちの信頼を勝ち取ることはできないからです。「佃製作所」社員全員で、この難局を乗り切ることになりました。これまでずっとコミュ障っぽかった変人・軽部(徳重聡)ですが、島津がチームリーダーになってからは表情がずいぶん明るくなりました。島津のお陰で、立花(竹内涼真)とアキ(朝倉あき)の面倒を看なくて済み、気が楽になったのです。

 ギアの耐久性をアップすべし、という問題点がはっきりしました。それまでは定時で退社していた軽部に向かって年下の立花が喰ってかかり、そのたびに険悪な空気に包まれていた技術開発部ですが、この日は違いました。いつもは「定時なので帰りま~す」と去っていた軽部が、この日ばかりは「よ~し、残業だぁ!」と自分からキャラ崩壊を宣言したのです。軽部の意外なひと言に、技術開発部のみんなは大盛り上がり、そして視聴者はドテッ。いつもはクールだった軽部の放ったテンション高めな残業ギャグが、結局は第2シリーズ最終話のハイライトとなったのでした。

 的場への復讐に燃える「ギアゴースト」の伊丹社長(尾上菊之助)&重田社長の決着エピソードが年明けの「新春ドラマ特別編」に持ち越されたことで、『下町ロケット』第2シリーズは、ずっと残業を断り続けてきた軽部の心境の変化を描いた3カ月越しの壮大な会社コントとして幕を閉じたことになりました。ひとりの社員が残業を断れない状況に追い込まれるのは、現実ではアウトですが、コントだと思えば笑って済ませられます。

 軽部には生まれつき心臓の弱い娘がおり、病院への送り迎えのために軽部は残業ができないという理由が第10話で明かされました。きっと、娘の体調が最近は安定しているのでしょう。「残業だぁ!」と言った軽部の表情が明るかったことからも、それがうかがえます。もし、そうでなければ、軽部家の犠牲の上で改良型「アルファ1」、あらため「ランドクロウ」は完成したことになってしまいます。それでは、あまりにも悲惨すぎます。


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壮大な会社コントとして終わった第2シリーズ!! ブラック企業と紙一重な『下町ロケット』最終話のページです。日刊サイゾー芸能最新情報のほか、ジャニーズ/AKB48/アイドル/タレント/お笑い芸人のゴシップや芸能界の裏話・噂をお届けします。その他スポーツニュース、サブカルチャーネタ、連載コラムドラマレビューインタビュー中韓など社会系の話題も充実。芸能人のニュースまとめなら日刊サイゾーへ!

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