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『3年A組』菅田将暉の剣幕に福原遥がガチ泣き! 真犯人は本当に田辺誠一!?

■5日間の“俺の授業”でも変わらなかった生徒たち

 涼音による告発動画アップは、すんでで柊がストップを掛けていた。坪井の真意を知り、動画の拡散を後悔していた涼音は、膝から崩れ落ちて安堵する。

「なんだ……よかったぁ……」(涼音)

 足元にいる涼音を柊は足蹴にし、引きずり回し、壁に叩きつけた。

「何がよかったんだ。おい、何がよかったんだ。お前が、この動画をネットに流そうとしたことに変わりはない、違うか? この動画が世間に広まったら、坪井先生がどんな目に遭ってたのか、よく考えたのか? なあ! 考えたのか!! お前の不用意な発言で、身に覚えのない汚名を着せられ。本人が! 家族が! 友人が! 傷つけられたかもしれないんだ。お前は取り返しのつかないことをやろうとしたんだ、なあ! わかってんのか!?」(柊)

 大前提として、坪井はやり方がよくない。写真をばらまくという形で部を辞めさせられた涼音は深く傷ついた。本人のためを思うなら、病気と向き合わせるべきである。今さら「実は……」と美談でまとめられても腑に落ちない。坪井は涼音を説得する努力を放棄した。不信感を抱かれるのも当然だ。

 それを踏まえても、柊は行く。今までのどの生徒よりも、涼音を厳しく指導する。あまりの剣幕に、クラスメートが制止に入った。

「もう、いいじゃん! しょうがないでしょ。結果、やってなかったんだからもう許してあげなよ!」

「そうだよ、涼音だって反省してんだ」

 まさに、そういうところだ。

「目を覚ませ! 何がしょうがないんだよ、おい。何を反省してるんだよ! お前ら、いいかげん目を覚ませよ。変わってくれよ! 何がいけなかったのか、上辺だけで物事を見ないで、よく考えるんだよ!」

「目の前の起こっているものをちゃんと目で受け止めて、頭に叩き込んで! 胸に刻むんだよ!! お前ら、それをしないから何回も何回も同じこと繰り返すんじゃねえのか?」

 今まで、3年A組は同じことを繰り返してきた。澪奈が自分を避けていると逆恨みし、感情に任せフェイク動画を拡散した宇佐美香帆(川栄李奈)。自分の不幸な境遇を誰も助けてくれないと決め付け、澪奈の盗撮動画をベルムズに渡した甲斐隼人(片寄涼太)。事実を確かめず、「自分は傷ついたから」と感情に身を任せ、取り返しのつかないことを起こしてしまう。それぞれの安易な思いで動画は投稿され、人生をムチャクチャにされた澪奈は自殺した。香帆も甲斐もそれを後悔している。その姿を目の前で見ていたはずの涼音が、また同じ過ちを繰り返そうとした。「変わろう!」と柊は繰り返し説いてきたのに、まだ感情に任せ後先考えず事を起こしてしまう生徒。今まで、何を見ていた!? まだ変わっていない、伝わっていない涼音だからこそ、他のどの生徒よりもキツく行ったのではないか。

「デジタルタトゥー」という言葉がある。ネット上に公開された書き込みは、一度拡散すると完全な削除は不可能という事実を示す表現だ。告発動画が投稿されたら、後で誤解とわかっても取り消せない。澪奈がフェイクの動画で自殺したように、不正確な情報でも坪井の人生は壊れてしまう。

「この動画が世間に広まったら、坪井先生がどんな目に遭ってたのか、よく考えたのか? なあ! 考えたのか!! お前の不用意な発言で、身に覚えのない汚名を着せられ。本人が! 家族が! 友人が! 傷つけられたかもしれないんだ。お前は取り返しのつかないことをやろうとしたんだ、なあ! わかってんのか!?」(柊)

「結果、やってなかったんだから」で許してしまうわけにはいかない。行動そのものを看過しない。よく考えろ。澪奈のような最期を生まないために。「傷ついた」を大義名分に、衝動的に事を起こしてはダメなのだ。

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