日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 売れっ子おじさん俳優・川瀬陽太の素顔

映画やTVドラマでよく見るおじさん俳優の素顔!! 川瀬陽太は演技だけでなく、トークも味わい深い

俳優デビューして24年になる川瀬陽太。彼が出演することで、映画もテレビドラマもコクが増すことになる。

 俳優が売れるか売れないかは、大きな事務所に所属しているかどうか次第。長い間、ずっとそう思っていた。だが、そんな固定概念はひとりの男によって砕かれた。川瀬陽太、49歳。フリーランスの俳優だ。ピンク映画やインディーズ映画で活躍し、近年は『64 ロクヨン』『シン・ゴジラ』(16)などのメジャー映画、テレビドラマ『anone』(日本テレビ系)や『この世界の片隅に』(TBS系)にも出演。味のある個性派俳優として評価される一方、ここに来て主演&メインキャストを務めた新作映画が続々と公開されている。2月に公開された主演映画『おっさんのケーフェイ』に続き、大阪・釜ヶ崎でロケを行なった16ミリフィルム作品『月夜釜合戦』が公開中、3月23日(土)からおじさん愛に溢れた『天然☆生活』、そして4月6日(土)からはピンク映画時代からの盟友・いまおかしんじ監督とのタッグ作『こえをきかせて』の劇場公開が待っている。50歳を目前にし、さまざまな現場から引っ張りだこ状態となった川瀬陽太の人気の秘密に迫った。

──平成最後の春、川瀬さんの主演映画が目白押し状態です。

川瀬陽太(以下、川瀬) たまたまです。撮影時期はバラバラなんです。『月夜釜合戦』は4年前に、『ローリング』(15)と並行して撮ったものです。『おっさんのケーフェイ』は2年前。『天然☆生活』は比較的最近ですが、どうしても自主映画は撮影から劇場公開まで時間が空いてしまいますね。『こえをきかせて』も劇場公開されることになり、なぜか出演作がこの春に集中したんです。

──俳優業24年目にしての大ブレイク!

川瀬 いやいや。ブレイクと言われてみても我が暮らし楽にはならず、じっと手を見る―ですよ(苦笑)。

──地道に現場でキャリアを積み重ねて人気俳優に。フリーランサーの鑑です。

川瀬 ははは、そうですかね。まぁ、フリーの役者でもこのくらいはできますよ、と見せられたことはちょっと良かったかなとは思っています。

──最近は映画だけでなく、テレビドラマでも川瀬さんを観る機会が増えてきました。川瀬さんがワンポイントで出演することで、作品のアクセントや隠し味になっていますよね。

川瀬 僕自身は隠れている気はないんですが(笑)、隠し味でも重宝されているのならありがたいと思っています。たまに僕が出演していない映画でも、「よかったです」と言われることがあり、「ありがとうございます」と答えるようにしているんです(笑)。

──個性派俳優・川瀬陽太によく似た俳優がもう一人いる!?

川瀬 多分、宇野祥平くんあたりじゃないかなと。あいつも映画にいろいろ出ていますからね。それで、あいつの手柄は俺がもらおうと。逆のこともあるのかもしれませんが(笑)。宇野くんとも話したんですが「単館ではサインを求められるけど、シネコンじゃ声を掛けられることもないよな」と。売れているといっても、そんな感じです。そんな状況を楽しみながら、気楽に俳優業をやっています。

 

「映画の撮影現場が好き。なので、あまり舞台には興味が持てないんです」と映画へのこだわりが強い。

映画をつくるつもりが演じる側に

──売れっ子俳優の川瀬さんですが、桑沢デザイン研究所を卒業。もともとは俳優ではなく映画スタッフを目指していた?

川瀬 そうなんです。『SRサイタマノラッパー マイクの細道』(テレビ東京系)に出演したとき、主題歌を歌っていたライムスターのMummy Dさんから「僕、後輩です」と言われました。けっこう有名なアーティストやデザイナーが育っている学校なんです。僕も本当は研究所を卒業したら、映画の美術スタッフになるつもりでした。それで福居ショウジン監督の自主映画に参加していたときに、「お前しかいない」と頼まれて、カメラの前に立つことになって。多分、内容がハードで、暴力的なシーンもあったので、事務所に所属している俳優に頼めなかったんでしょうね。その後、瀬々敬久監督のピンク映画に出て、初めてギャラをもらいました。お金をもらえたこと以上に、「俺を必要としてくれる現場があるんだ」と思えたことが大きかった。だから、今までこの仕事が続いたんじゃないかと思います。

──監督の意図を汲み取る大道具みたいな……?

川瀬 そうですね。映画のスタッフには演出部や技術部などありますが、俳優部という感覚ですね。芝居をするスタンドインみたいな感じでやってきました(笑)。いまおか監督の『こえをきかせて』はピンク映画と同じくらいの低予算映画ですが、このくらいのバジェットと撮影期間だと自分に何ができるかなぁって考えます。現場に入って、「こういうロケ地なら、こんなことができるな」とか思いつくことが多いですね。

──事前に台本を読み込んで、徹底的に役づくりするタイプではないんですね。

川瀬 台本は読みますが、あまり役づくりはし過ぎないようにしています。大喜利に参加するような感覚ですね。脇役のときはかなり自由に遊ばせてもらっていますが、主演のときはさすがに変わります。ストーリーだけでなく、周囲も引っ張っていく必要がありますから。その点では、主演俳優は大変だと思います。大きな映画で主演を張る俳優になると、興収結果が今後のキャリアにも関わってくるわけでしょ。僕は主演といっても大規模な作品ではないので、楽しみながらやっています。僕に求められているのはカメレオン俳優的なものではなく、ある種のタイプキャストであることが多いので、やりやすいですよ。

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