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転職活動は自己分析から始めるな!生産性の高い自己PRのマトメ方

 これまでの連載では、現在の会社で年収を上げるために、生産性を高める・管理職になる、という方法があるということをご紹介してきました。これらは多くの会社では有効な方法です。しかし、どうしても年収が上がりにくい職種や企業もあります。皆さんがそういった環境にいる場合、地道に自社の変革をすることもひとつですが、思い切って環境を変えてしまうほうが近道となることもあります。

 環境を変えることで年収アップを目指す場合、一般的に考えられるのは転職活動でしょう。

 転職を支援するキャリアアドバイザーの多くは、「みなさんの今までの経験を踏まえて強みと弱みを整理しましょう」とアドバイスすることが多いようです。いわゆる自己分析の勧めです。たとえば以下のようなイメージです。

 ①2013年4月 ××株式会社入社 ○○部配属。 研修として▲▲の業務に従事。

 ②2013年9月 同社 □□部異動。 部員として☆☆の業務に従事。

 ③2016年4月 …

 そして、「①の経験から私は何が学べたかな? どんなことが強みと言えるだろうか……」と考えるわけです。

 しかし、転職活動において自己分析から始めると、挫折したり、転職活動に時間がかかることが多いです。

 なぜなら、上記の方法では自身の経験は把握できても、強みがどこにあるかがわかりづらいからです。自分が強みだと思うことが市場の中でどの程度の価値があるのかを把握できる人がどれだけいるでしょうか?

 また、第三者の目で見ると「すごい能力だな」と思えるようなことを、本人が強みだと認識できていないケースも多く見られます。こちらが褒めても「そんなことはできて当たり前なので強みでもなんでもないでしょう?」と否定する人も少なくありません。

 そうして、本当は能力があるのに、心が折れてしまい「自分にはなんの強みもないから転職なんてできない。今の会社にしがみついていくしかないんだ」と考えてしまう……。非常にもったいないことです。

 また、あなたが行きたいと考えている企業のニーズにあなたの強みがマッチするとは限りません。何時間もかけて自己分析をしても、志望企業に刺さらないエピソードを集めてしまっては意味がないわけです。

転職活動を何から始めるべきか?
 転職活動でするべきことは、「応募する企業の求める人物像を把握し、それに合致した人物である」と伝えることです。

 求める人物像については、大手企業であれば採用ページに社長や人事担当役員からのメッセージのような形で「努力をいとわず、専門性を持ち前向きにチャレンジできる人材」といった文章が記載されていることが多いです。求める人物像の記載がない場合でも、募集要項に必須要件や歓迎要件などの形で記載されていることもあるでしょう。

 求める人物像がわかれば、そこから要素を抽出します。たとえば先の例であれば以下のような形になります。

・努力したこと

・応募職種の専門性があること

・前向きに考えたこと

・チャレンジしたこと

 そして、皆さんの今までの経験から「どんなことを努力したかな?」「応募職種の専門性があるといえるエピソードは何かな?」と考えていきます。そうすると、志望企業のニーズにダイレクトに訴求する自己PRができるわけです。何社か受けていると重複が出てくるでしょうから、新しい部分について考えるだけで良いのです。

 

どうしても求める人物像が見つからない場合は?
 前項では、企業が公開している「求める人物像」を参考にしましたが、どう探しても求める人物像が見つからない場合はどうすればよいのでしょうか。その場合は、志望企業の業界と職種の特徴から自分で導き出す、ということになります。

 たとえば、ある程度固定化された顧客を相手に固定的な製品を販売している企業の営業職なら、「顧客との関係を維持しながらも自社にとって有利な条件を勝ち取るような折衝ができること」などが望まれるでしょう。

 失敗してもいいから新製品をたくさん作りたいと思っている企業の開発職なら、「ニーズを把握できるようアンテナを張っていて、失敗を恐れずとにかくたくさん提案が出来る人」が望まれるかも知れません。

相手のニーズを掴むメリット
 求める人物像を踏まえて、相手に伝える。この方法はかなり強力です。営業活動で例えるなら以下のような差があるのと同じです。

・競合は顧客のニーズを把握せず、自身が売りたいモノを売りつけている

・あなたは顧客のニーズを把握した上で必要な部分だけに絞って提案している

 どちらが受注確率が高いのかは言うまでもないでしょう。

人間は限定されたほうが思い出しやすくなる
 上記のように「先にエピソードのテーマを決めてから書く」方法は、「漠然と何か書く」のに比べてはるかに生産性が高まります。

 これは、何か制約があるほうが創造性が高まる、という人間の心理に基づいています。「なんでも良いから自分の強みを探そう」と考えると、思考の対象が広すぎて考えがまとまりづらいですが、「自分の過去の経験で、他人との関係を悪くしないで自分の要求を通した経験はないかな?」と考えるとエピソードを思い出しやすくなるのです。

最終更新:2019/05/04 07:15
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