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熱血!”文化系”スポーツ部

NHK大河『いだてん』が第2部から面白くなる2つの理由

文=オグマナオト

政(まつりごと)との関わりが、いよいよ始まる

 大河ドラマ好きには、たとえば戦国武将たちの知略ぶり、いわゆる“政(まつりごと)”を楽しみにしている人も多いはず。この点は『いだてん』第1部には皆無だったといえる。

 むしろ明治・大正期のスポーツは、そのほとんどが“個人”的なもの。だからこそ、日本初参加のオリンピックには自費渡航しなければならなかったし、周囲のサポートも心細く、そもそもスポーツに興じることへの理解度が少なかった。嘉納治五郎が何度も大臣と面会を試みようとするも、 門前払いを食うシーンばかりが描かれ、政治家は登場しなかった(第1部最後に東京市長が出てきたくらいだ)。

 だが、現状のスポーツ界はどうだろう? 「スポーツ庁」なる省庁までできてしまったことからも自明なように、「スポーツと政治」は、もはや切っても切れない関係性だ。だからこそ、オリンピックなんていう巨大箱物が成り立つわけで。その是非もあるだろうが、政治とスポーツが関わり合いを持つ端境期こそ、昭和初期のスポーツ界だったといえる。

 それを象徴するかのように、第2部冒頭では当時の大蔵大臣・高橋是清が登場。“しゃべりの韋駄天”田畑政治が高橋から助成金をいかにせしめていくかが、次回放送分で描かれるはず。ちなみに、高橋を演じるのは、今年3月に亡くなったショーケンこと萩原健一。『いだてん』が遺作となったわけだが、とても死期が迫っていたとは思えない眼光の鋭さ、存在感を醸し出している。この「最後のショーケン」を見るだけでも『いだてん』視聴の価値はあると思う。

 また、田畑とライバル関係で描かれている朝日新聞の同僚・河野一郎(桐谷健太)も、後に政治家に転身し(現・外務大臣の河野太郎のおじいちゃんだ)、1964年の東京オリンピック担当大臣を務める人物。今後、東京オリンピック開催に向けて、政治家たちと“しゃべりの韋駄天”がどのような交渉を重ね、利害関係を結んでいくのか? まさに、オリンピックという祭り事と政が交差していくさまは、今から楽しみでならない。

 このほかにも、ここから描かれるのは日本スポーツ躍進の過程と、オリンピック実現という苦難の道。そこにはとっぴなアイデアの数々があったことは想像に難くない。それら“史実”をクドカンがどう料理してくれるのか? 第1部でも、「さすがに盛りすぎ」と感じるほど史実だった、ということが多かっただけに非常に楽しみだ。

 また、『あまちゃん』で東日本大震災を描き、『いだてん』第1部で関東大震災における生と死の有り様を見事に描いてみ せたクドカンが、『いだてん』第2部では太平洋戦争をどのように描くのか?  視聴率という数字にめげることなく、ゴールテープを切る最後まで、いまのテンションが保たれることを願うばかりだ。

(文=オグマナオト)

最終更新:2019/07/04 14:00
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