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NHK『秋葉原事件』元同僚が自問し続ける「加藤智大と自分の違い」

獄中から発表された「ファイナルラップ」

「なぜ凶行に至ったのか、聞きたいことは何十時間あっても足りない。あまりにも聞きたいことがありすぎて、その思いを込めて全力でぶん殴ってやるということしかない」(同)

 大友さんは事件後、正社員として採用され、今も当時と同じ仕事を続けている。社会への不満を抱きつつも、仕事に打ち込んできた大友さんと加藤を隔てたものは、加藤の“弱さ”ではないかと言う。

 4年前に死刑判決が言い渡され、現在は東京拘置所に収監されている加藤。昨年、獄中で発表した詩「ファイナルラップ」には、事件前の書き込みと変わらない、自己中心的な一面が垣間見える。

「他者(ひと)楽しませ生きがい増し それ奪ったのが成りすまし」

「気にしていない顔の美醜 望んだのは居場所の補修」

「絞首刑かかって来いや 首に食い込む錆びたワイヤー」

 今年5月に起きた川崎の無差別殺傷事件では秋葉原事件との共通点が取り沙汰されたが、もしも加藤にネット以外の居場所があり、彼の不満に共感してくれる人がいたら事件は起こらなかったという指摘もある。11年たっても、加藤と同じような孤独を感じる人がたくさんいるという現実、そしてそういった人間をつなぎ留める手段を、いま一度考え直す必要があるだろう。

最終更新:2019/07/10 21:00
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