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ドラマ評論家・成馬零一の「女優の花道」番外編

富田望生、森田望智、桜井ユキ……令和元年は個性派女優が飛躍?

文=成馬零一(なりま・れいいち)

ジャパン・ミュージックエンターテインメント公式サイトより

 今のテレビドラマは、主演級の正統派女優は飽和状態で「美人」「かわいい」というだけではどうしても埋もれてしまう。しかし、王道に対する邪道、直球に対する変化球を投げるられる脇役女優の層は薄く、まだまだ数が足りていない。そんな隙間を突いて現れた個性派女優の躍進が目立ったのが、2019年のテレビドラマだったのではないかと思う。

 真っ先に名前が挙がるのが、やはり富田望生 (みう)だろう。

 映画『ソロモンの偽証』で映画初出演を果たして以降は、ぽっちゃり系のビジュアルでシリアスな演技ができるという稀有な個性が重宝され、昨年Netflixで配信された学園ドラマ『宇宙を駆けるよだか』で一気にブレイクした。今年は『3年A組‐今から皆さんは、人質です‐』(日本テレビ系)、連続テレビ小説『なつぞら』(NHK)、『ブスの瞳に恋してる』(FOD)といったドラマに続けざまに出演し、ぽっちゃり系若手女優といえば富田というイメージは完全に定着したとい えよう。ただ、これは起用する側の問題だが、安易なコメディリリーフとして使われることが多く、彼女のポテンシャルがイマイチ生かされていないように見える。『宇宙を駆けるよだか』に匹敵する役に再び出会えるかがポイントだが、いっそ、いきなり朝ドラヒロインを演じるくらいの大胆な起用があってもいいのではないかと思う。

 一方、大胆な濡れ場を演じたことで、令和元年のシンデレラガールとなったのがNetflix配信ドラマ『全裸監督』でAV女優の黒木香を演じた森田望智 (みさと)だ。80年代のAV(アダルトビデオ)業界を舞台に、AV監督の村西とおる(山田孝之)がのし上がってい く姿を描いた本作において、もうひとりの主人公といえる黒木は、厳格な母親の元で育てられた結果、性的欲望を抑圧されていた。しかし、村西と出会いAVに出演したことで、女として解放される。第5話のAV撮影場面では大胆な濡れ場を披露するのだが、このシーンのいやらしくも滑稽なラブシーンは本作最大の見どころだった。

 劇中の黒木は、尊敬する村西のコピーとして振る舞うことで、過剰な敬語でいやらしい行為を行うセックスモンスターとして開眼していく。その過程が女優として開眼していく森田の姿とダブるところが本作の面白さだが、その後もテレビドラマへの出演は増えており、より現代的な女性も演じている。良くも悪くも役の個性が強かった『全裸監督』以降、森田自身がどう認知されていくかが、今後の鍵だろう。

 対して桜井ユキは遅咲きの32歳。園子温監督 の『新宿スワン』や『リアル鬼ごっこ』といった映画に抜擢され、脇で気になる仕事をする女優だったが、今年は主演を務めた『だから私は推しました』(NHK)のほかにも『東京独身男子』(テレビ朝日系)、『絶対正義』(フジテレビ系)、『G線上のあなたと私』(TBS系)などのドラマに出演。かつて、りょうが演じていたような、ラグジュアリーで破滅の匂いが漂う大人の女性を、この若さで演じられることが人気の秘密だろう。

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