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『きのう何食べた?』待望の正月SP! 3万円の傘と食費の残金23円の価値

素直じゃないジルベール、至極の愛を手に入れた小日向さん

 第2章は小日向大策(山本耕史、以下「小日向さん」)と井上航(磯村勇斗、以下「ジルベール」)の物語だ。自分との約束より仕事(断れない大物俳優との潮干狩り)を優先した小日向さんをジルベールは「海臭い!」と拒絶、家に入ることを許さなかった。献身的な小日向さんとわがままなジルベールは共依存関係にある。

 毎晩、日替わりのタンクトップを着てジルベールのために料理を作る小日向さん。しかし、どれもジルベールの琴線には触れなかった模様。自ら料理をしようとジルベールは買い出しに行き、偶然にもケンジと遭遇した。2人は対照的なタイプ。かまってちゃんのジルベールと世話焼きタイプのケンジによるシングルマッチが勃発した。

ジルベール「ケンちゃんってさ、なんでそんな愛情の安売りするの? 何かあったら『シロさん、シロさん』ってさ、そんなに“ベタ惚れしてます感”出したら軽く見られちゃう。簡単に手に入るものに、人は執着しないよ」

ケンジ「いいの。ハマっちゃう刺激的なものより、いつもそこにいます的なので、俺は」

ジルベール「ケンちゃんは『うすしお』か」

ケンジ「でもさあ、定番って案外飽きられないものじゃない?」

ジルベール「俺、うすしおなんか買ったことない! わざわざ好んでうすしお買う人の気が知れない」

ケンジ「若いね~。最後はうすしおなの。おじさんたちはねぇ、定番がいいの。安心したいの。だからさ~、愛情試すのは時々にしてあげなね?」

 ジルベールは冷蔵庫にあったありものでキムチチゲを作った。小日向さんが味噌汁のために作り置きしていた煮干しのだしも遠慮なしに全投入するプリマドンナっぷり! それにしても、NHK朝ドラ『ひよっこ』のヒデ役で丁寧な手さばきを見せていた磯村がジルベールの雑な料理を完璧に演じ切っているのには恐れ入る。

 自作キムチチゲを食べ終え、ご満悦のジルベール。「和食がいい」とリクエストされていた小日向さんは食材を用意して帰宅したものの、それは無駄になってしまった。キッチンは散らかし放題だし、煮干しのだしと高級豆腐は無断使用されたし、ジルベールのために作っておいた料理は完全無視されているし。その上、ジルベールは小日向さんにさらなる要求をしてきた。

「にんにくの臭いが部屋の中に残っていると悪臭だし、冷蔵庫が臭くなるのも嫌だから、チゲの残り今すぐ食べちゃってくれる? 全部」

 こっそり自分のために用意されていた小皿を見て、小日向さんは固まった。「僕がせっかく作ったキムチチゲを生ゴミにして捨てろってこと!?」とゴネるジルベール。小日向さんは「違うよおおおお!」と大声を出した。

「食べるに……決まってるじゃないか」(小日向さん)

 小日向さんにとって、これは至極の愛。想像もしていなかったおもてなしに感動し、固まったのだった。ジルベールはジルベールで、なんだかんだ自分が作ったキムチチゲを小日向さんと一緒に食べたかった。ケンジの言葉に影響されたからこそのツンデレ。素直になれないジルベールのかわいらしさ。まさか、彼に泣かされるとは思わなかった。

 結局、シロさん&ケンジも、小日向さん&ジルベールも、どちらも相性のいいベストカップルだったのだ。

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