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ゴーン国外脱出をみすみす許した国内空港のザル警備 背景に故スティーブ・ジョブズのトラブル⁉

文=高田信人(たかだ・のぶひこ)

写真:AFP/アフロ

 まるで映画のようだ――。元日産会長のカルロス・ゴーン被告のレバノンへの逃亡劇に対しては、世間からそんな感嘆の声すら上がった。

 一方で、ゴーン被告の日本への身柄引き渡しは困難とみられており、日本の司法制度は完全にコケにされた格好だ。

 そこでやり玉に挙げられているのが、ゴーン被告の国外脱出を見逃した空港の警備体制。ゴーン被告は12月29日夜に関西国際空港をたったプライベートジェット機(以下PJ)に搭乗したされているが、その際、楽器ケースに身を隠すことで、出国審査を逃れていたとみられている。関空のPJ専用施設では、利用客に対する保安検査が義務付けられておらず、手荷物のX線検査などは行われていなかったという。これを受け、国土交通省は、1月6日から国内のPJ専用施設での大型荷物の保安検査を義務付けたが、「泥縄」と言わざるを得ない。

 ゴーン被告に目を付けられた日本の出国管理の「ザル状態」だが、そうなったのはアップル共同創業者・故スティーブ・ジョブズ氏の“トラブル”が影響している可能性がある。

 2011年に死去したジョブズ氏だが、その前年、お忍びで来日しての帰国の際、PJに搭乗するために利用した関空で、一般の旅客機の利用客と同様の手荷物検査を受けたことに憤慨したとされている。この一件は、当時「週刊SPA!」(扶桑社)が報じ、海外メディアも後追いすることとなった。

 同記事を執筆した、フリーライターの奥窪優木氏は話す。

「当時日本の空港には、PJ専用施設というものがなく、PJ利用客も搭乗までは一般旅客と同じ保安検査場で同様の検査を受けていた。ここで、ジョブズ氏が手荷物として持ち込もうとした手裏剣を係員が発見、没収したことに激高したとのことでした。『自分のプライベートジェット機を、わざわざハイジャックするわけない』という理屈はわかるのですが、一般のクリーンエリア(保安検査後の搭乗待合エリア)を利用する以上、危険物を持ち込めないのは当然でした。ただ、世界の主要空港ではすでにPJ専用施設が整備されていたので、それが当たり前と思っていたジョブズ氏はイラついたようです。ジョブズ氏が『日本には二度と来ない!』と吐き捨てたという目撃情報もありました。この時代であれば、ゴーン被告が日本から国外逃亡することは不可能だったでしょうね」

 この一件は、天才発明家で伝説的経営者として名をはせていたジョブズ氏の素顔を伝えるストーリーとして世界を駆け巡ったが、その傍ら、日本の航空行政には大きな影響を与えたようだ。国内空港の運営会社社員はこう話す。

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