かが屋「影響を受けたのはワンピースとアニメ」ゾフィー上田が伝説の“スマホ画面回転”誕生秘話に迫る！

　生粋のコント好き芸人が集まり、コントの可能性を広げようとしているユニット「コント村」。その矢面的存在であるゾフィー・上田航平がホストになり、コントの神髄に迫る対談企画が始まった！　記念すべき第1回のゲストは、かが屋の2人、加賀翔と賀屋壮也だ。（構成・鈴木工）

――以前、ゾフィーさんのインタビューで、上田さんに「コント村の野望」をうかがいました。その思いはコント村に参加している芸人（ゾフィー上田、かが屋加賀ほか、ハナコ秋山寛貴、ザ・マミィ林田洋平）で一致してるんですか？

加賀　一致というより、各々やりたいことがあるんですよ。その仲間が熱量を持って話し合う場として、刺激を受けてますね。

賀屋　僕はいまのところコント村メンバーじゃないので、何のことやらよくわかってないです（笑）。知らずに触ったら「熱っ！」みたいな。

上田　賀屋くんとは、こういう話したことないもんね。

賀屋　でも上田さん、もともとは僕のほうとよくしゃべっていたじゃないですか？　喫煙所で上田さんが「『野獣死すべし』の松田優作の演技がすごい」と教えてくれたりして。

上田　それがいつの間にか、加賀派になっていた（笑）。今日はね、“かが屋の気づいていないかが屋”を掘っていきたいんですよ。

加賀・賀屋　はあ。

上田　だから今日にそなえて、YouTubeにあがってるかが屋の約50本のコントを全部見ました。

【かが屋リンク：https://www.youtube.com/playlist?list=PLlxhsVYSJyr2RK3nEqWpPOlMQzBw32lcu】

加賀・賀屋　えーっ！

上田　かが屋さんに失礼のないように、インタビューもほぼ読みました。

賀屋　上田さん……！

上田　世に上がってるインタビューも読み漁って、2人がバイトしていたコンビニの店長の名前がオオヤさんだったというのも覚えました。

加賀　やばっ！　それあんまり出してない情報ですよ。

上田　だからいろいろ聞きたいことがあって……（タブレットのメモを見る）。かが屋って結成が2015年でしょ。動画を見てると、17年からネタの毛色が変わった気がする。その年、何があったの？

賀屋　とにかく「ウケたいな」となってきたところですかね。

加賀　それまでは褒められてなかったんですよ。一緒にユニットライブをやっていた、パーパーとかスタンダップコーギーとか、そのあたりだけが面白いと言ってくれてただけで。なんだったら芸人の間でも「面白くないヤツら」という認識のほうが強かったです。

上田　確かに昔のコントを見たら、空気がちょっとふわっとしてるんだよね。「ここ！」という笑いどころで刺しにこないというか。

加賀　単純にわかってなかったです。クスクスぐらいはウケてたんですけど。「2人でボソボソ机に向かってやってるのが面白いでしょ」みたいな勘違いがありました。

上田　初期のネタって、どんなのがあるかな。

賀屋　「信号待ち」はマセキ入って、一発目の事務所ライブでやったやつです。

上田　あれを最初にやるのがすごいよね。ちょっと動画見てみよう。

（3人で鑑賞）

加賀　細っ！

賀屋　……いいんだよ、俺の細さは。

加賀　まだジーンズの衣装も固まってない。黒白で対比させるのは決まってるんですけど。

上田　衣装をシンプルにしようとは思ってた？

加賀　思ってました。

上田　最初からそこに意識がいくのはすごいよ。

加賀　僕ら、舞台上でいっさい前向いてないですね。のぞき見してもらおう、みたいな感覚だった気がします。

上田　賀屋くんの声、全然聞こえないね。

賀屋　小さいです。どういう声の出し方してたんだろう？　昔の動画、音量マックスにしないと聞こえないですよね。

加賀　だから、ゾフィーさんを初めて見たときは「声でかっ」と思いました（笑）。でもこのネタはウケたほうだったんですよ。ここから先が全然ウケなかった。

上田　2015年のかが屋は、漠然と面白い感じかな。アイディアはいいんだけど、「このセリフで、この動きで、笑いを取る」がまだ確立されてないというか。