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新手の国際電話詐欺? 「スリナム共和国からの着信」相次ぐ

文=伊芸有象(いげい・ゆうぞう)

イメージ画像(写真ACより)

 新手の手口が出ては消える詐欺の世界。スマートフォンに見知らぬ着信があり、かけ直すと詐欺業者で……というのがお決まりのパターンだが、最近、新手の詐欺電話の被害報告が相次いでいるという。

 大阪府に住む会社員の男性(37)のもとにその電話がかかってきたのは、3月下旬のある日の早朝だったという。

「朝6時ごろのことです。枕元のスマートフォンに突然着信があった。電話の音で目覚めて、慌てて取ろうとしたら、切れてしまいました。でも、普段こんな時間に電話がかかってくることなんてない。不思議に思ってスマホを確認すると、その直前にも同じ電話番号から着信があったんです」

 男性がさらに驚いたのは、その電話の発信元を確認した時だった。

「相手先の番号には、国際電話の着信を示す『+』の記号と『597』という国番号が表示されており、ググってみるとスリナム共和国という聞きなれない国の番号でした。もちろん、私には縁もゆかりもない場所。気味が悪いので、かけ直しませんでしたが、あれは一体何だったのか……」

 スリナム共和国は、ブラジルやガイアナなどと国境を接する、人口50万人あまりの小国。面積、人口ともに南米最小の独立国で、かつては「オランダ領ギアナ」と呼ばれていた。鉱物資源の産出国としても知られているが、日本との結びつきはそれほど強いとはいえない。

 しかし、この日本となじみの薄い南米の小国からの着信は、昨年ごろからさまざまな場所で確認されているのだという。

「ネット上では『スリナムからの着信』と話題になっています。真夜中や明け方にかかってくるパターンが多く、知らずにかけ直して多額の通話料を請求されたりする被害もあるようです」(民放記者)

 近年では、振り込め詐欺や架空請求詐欺を仕掛ける詐欺グループが捜査当局の目をごまかすために、海外のサーバを通したIP電話で詐欺電話をかけるという手口が一般的になりつつあり、「スリナムからの着信」も、このケースに当てはまるように見受けられる。

 ただ、なぜスリナムなのか?

「実は、スリナムは、南米の中でも特に中国と深い結びつきがある国として知られています。中国からの移民も多く、国民の約10%が中華系との統計もある。これまで中国とパイプのある詐欺グループが、世界中に広がる中華系のネットワークを通して、海外のサーバを悪用する事例が数多く確認されています。中国企業が進出しているアフリカ諸国にもこうした犯罪インフラが構築されつつあり、過去には南アフリカやケニアなどのサーバが悪用された。スリナムにも同種の犯罪インフラが作られつつあるのかもしれません」(同)

 グローバル化の波に乗り、世界のあらゆる場所に版図を広げる詐欺グループたち。彼らの毒牙にかからないためには、われわれの防衛意識にもバージョンアップが必要なようだ。

伊芸有象(いげい・ゆうぞう)

伊芸有象(いげい・ゆうぞう)

1980年生まれ。在京新聞社や週刊誌を十数年渡り歩き、フリーのルポライターとして活動。犯罪や貧困問題などを精力的に取材している。

最終更新:2020/04/01 20:00

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