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TBS『もしも動画グランプリ』のリアル過ぎる「AIで顔変換」が開いた“パンドラの箱”

イメージ画像/出典:acworks

 現在、全人類から熱い視線を注がれているAI。将棋や囲碁のトッププロはすでにAIに撃破され、AIが人間を超えるシンギュラリティが間近に迫る中、“エロ”の世界にもAIは確実に侵食している。その可能性を示唆したのが、4月7日に放送された『もしも動画グランプリ』(TBS系)という番組だ。

 この番組は、最新のAI技術を使って動画に登場する人物の顔を入れ替え、夢の動画を実現するというものだ。同番組は南海キャンディーズ・山里亮太とSHELLYが司会を務め、元メジャーリーガーの上原浩治、ラグビー日本代表の中島イシレリ、A.B.C-Zの塚田僚一、安藤美姫、眞栄田郷敦、アインシュタイン稲田らが登場。AIで上原がサンシャイン池崎に、安藤美姫が平野ノラに、稲田がEXITに変身し、スタジオは爆笑に包まれた。テレビ情報誌記者が言う。

「AIで顔を入れ替えるだけでも十分興味深い内容でしたが、番組では、『突然死した夫と結婚式をあげたい』という女性の願いを叶え、AI技術で甦った夫との結婚式動画を2人の子供に見せるシーンも登場。笑いあり涙ありの構成になっており、第2弾が期待されるクオリティの企画でした。入れ替えた顔は激しい動きをしてもブレることがなく、放送後には『こんな自然に馴染むもんかね』『違和感ない』といった声が寄せられており、多くの視聴者がAI技術の高さに驚いたようです」(テレビ情報誌記者)

 昨年の『NHK紅白歌合戦』では、1989年に亡くなった美空ひばりさんがAIで復活したのは記憶に新しいところ。こちらは人物の動きをモーションキャプチャーしてCGで復活させたものだったが、『もしも動画グランプリ』で提示された“顔ハメ”の技法は、危うい問題点もはらんでいる。アダルト動画事情に詳しいフリーライターは言う。

「エロ業界の界隈ではかつて、ヌード画像に女性芸能人の顔をくっつける『アイコラ』が流行りましたが、それの最新バージョンが、AV動画に女性芸能人の顔をハメるフェイク動画です。海外のポルノ動画サイトには多数の超人気女優やアイドルのフェイク動画が投稿されており、投稿されては削除されるイタチごっこのような状況が続いています。

 海外ではすでにフェイク動画の投稿を取り締まる法律が制定された地域もありますが、裁判になった場合、フェイク動画の存在を世に知らしめることになり、タレントとしては得策ではないのが現実です。ビデオデッキやビデオカメラ、VR(バーチャルリアリティ)など、“エロ”が技術革新の先頭に立つのは世の常ですが、顔ハメ動画の存在をいたずらに肯定するのは危険だと思います」

 たとえ“顔ハメ”だと分かっても、自分の顔がアダルト動画サイトに投稿されるのは不愉快極まりないはず。著名人の権利を守るためにも、早急な法整備が求められているようだ。

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最終更新:2020/04/16 12:10
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