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『沼にハマってきいてみた』レビュー

『沼にハマってきいてみた』はいだしょうこ画伯の新作似顔絵に驚愕!

後頭部似顔絵師に、はいだしょうこもタジタジ……

 15日放送回が取り上げたテーマは「似顔絵沼」だった。この日のゲストの人選がイカしているのだ。そして、紹介の仕方もイカしている。

「絵を描くのが大好きな、はいだしょうこさんです!」(松井)

 はいだは伝説の持ち主である。彼女が『おかあさんといっしょ』(Eテレ)でうたのおねえさんを務めていた2006年、絵描き歌に合わせて描いた人形劇のキャラ「スプー」のイラストは今でも語り草だ。あまりに実物とかけ離れた絵の出来栄えに世は衝撃を受け、それ以来、はいだは陰で「画伯」とまで呼ばれている。

 番組サイドもひどい。新聞のラテ欄にこんな文を書き、好事家の期待を煽ったのだから。

「挑戦!似顔絵 誰でも描けるコツ伝授 はいだしょうこに騒然」

 今回、はいだ画伯はアシスタントの松井愛莉の似顔絵を描いてきてくれた。「こちらです!」と彼女が公開したイラストだが、まずサイズがあまりにも小さい。アップにして見ると、目は横に長いU字型の温度計のフォルムをしており、視線は90度真上のあり得ない方向を向いている。胴体は米粒のような長細い楕円形だし、それを支える脚は1本しかない。しかも、地面に刺さったくぎみたいな脚なのだ。上半身を見ると、腕は苔みたいな線が胴体からチョロっと出ているだけ。松井に似てるどころか性別は不明だし、人間かどうかさえ怪しかった。

高橋「これ、コケシやん! 大ふざけしてますやん(笑)」

はいだ「本当に真剣に描いた。本当に真剣に!」

 本当に真剣に描いたのだろう。何しろ、似顔絵の右下には四角で囲んだ「S」の文字が堂々と記されている。これは、しょうこの頭文字の「S」である。まぎれもなく、はいだ画伯の自信作だ。

 似顔絵界には、はいだ以外にも個性的な人材は多い。性格や特徴をユーモアに誇張する似顔絵「カリカチュア」の達人や、床に落ちた毛をヒントに髪の毛で似顔絵を描く手法を発明した美容師などが今回は紹介されたが、極めつきは若木くるみさんだった。

 似顔絵師であり、ランナーでもある若木さん。走る彼女の後ろ姿をカメラが追うと後頭部は剃り上げられており、そこに人の似顔絵が描いてあるのだ。なぜ、こんなことを……?

「自分が(マラソン)大会に出たときに、(前方が)全部黒い頭っていう光景が異様に思えて」(若木さん)

 正面の大きな鏡と左手に持った手鏡を頼りに、後頭部に他人の顔を描く。それが若木さんの似顔絵の作り方だ。ちなみに若木さんははいだの大ファンで、今回は後頭部にはいだの似顔絵を描いて登場してくれた。

高橋「どうですか、後頭部に描かれて。うれしい?」

はいだ「……うん、すごいうれしいです(苦笑)」

高橋「うれしないやん!」

 過激すぎる個性の持ち主が共鳴し合った今回。さすが、芸術肌だ。似顔絵界には、はいだに勝るとも劣らない強烈なキャラクターがひそかに存在しそうである。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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てらにしじゃじゅーか

最終更新:2020/04/19 14:00
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